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アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生
第1章【砂に黄金、泥に蓮】

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46/90

第46話-聞くと行うは大違い

『それではREN999様。【召喚】を使用してみてください』


ニールに言われるまま、蓮は新たに習得した【召喚】を使用する。


すると、目の前に選択画面が表示された。


━━━━━━━━━━━━━


召喚対象を選択してください。


【ロア】


━━━━━━━━━━━━━


「今はロアだけか」


先ほど登録したばかりなのだから当然だろう。


蓮が【ロア】を選択すると、さらに確認画面が表示される。


━━━━━━━━━━━━━


ランクⅠモンスターの召喚により

SPが20制限されます。


よろしいですか?


【YES NO】


━━━━━━━━━━━━━


蓮は迷わず【YES】を選択した。


すると蓮の目の前に光の球が現れ、それが徐々にロアの姿へと変化していく。


登録の際に一度姿を消したロアが、先ほどまでと何ら変わらない元気な姿で再び蓮の前に現れた。


「おお! ロア!」


「ワウ!」


蓮の呼びかけに応えるように、ロアが元気よく鳴く。


見たところ、登録前と何かが変わった様子はない。


『それではREN999様。ご自身のステータスをご確認ください』


「俺の?」


言われるままステータスを開くと、先ほどまでとは異なる表示が追加されていた。


━━━━━━━━━━━━━


SP:120(100/100)


━━━━━━━━━━━━━


「おお……本当に20減ってる」


『正確にはSPが消費されたのではなく、【ロア】を召喚している間、使用可能な最大SPが20制限されております』


「そうだった。解除すれば元に戻るんだよな?」


『はい。その通りでございます。また、召喚モンスターのHPが0になった場合も、強制的に【解除】されます』


(やられた場合もってことか……)


これまで蓮にとって、ロアがやられることだけは何としても避けなければならなかった。


だが、召喚モンスターとなった今は、HPが0になったとしても強制的に召喚が解除されるだけらしい。


(これなら前よりは無茶させられる……いや、別に無茶させるつもりはないけど)


「ワウ?」


何となく嫌な予感でもしたのか、ロアが蓮の顔を見上げて首を傾げる。


「いや、何でもない」


蓮は誤魔化すようにロアの頭を撫でた。


「そういえば、ロアって召喚モンスターになって何か変わったのか?」


そう思った蓮は、そのままロアのステータスを確認してみる。


━━━━━━━━━━━━━


【ロア】


種族:フリーウルフ(幼体)/召喚モンスター


ランク:Ⅰ


Lv:10


HP:100


SP:50


攻撃:10


防御:10


命中:10


抵抗:10


STR:10


VIT:10


AGI:10


INT:10


DEX:10


LUK:10


CHA:10


スキル:【サーブ】


必要経験値:5110/10230


━━━━━━━━━━━━━


「へー……こんな感じなのか……って、あれ?」


各ステータスの数値は以前確認した通りだったので、特に驚くようなところはない。


しかし、一番下に表示された経験値を見て違和感を覚える。


「確か……ランクⅠの場合、最大レベルは10って聞いたんだけど……」


『はい。ランクⅠのPLAYERの場合、最大レベルはおっしゃる通り10となっております。ただし、召喚モンスターの最大レベルは、召喚士様の現在のランクによって変化いたします』


「召喚士のランク?」


『はい。現在REN999様はランクⅡですので、召喚モンスターもLv20まで成長させることが可能となっております』


「じゃあ、ロアはまだレベルが上がるってこと?」


『はい。その通りでございます』


「おお! マジか! でも……待って……」


一瞬喜んだ蓮だったが、すぐに何かに気づき、再びロアの必要経験値の欄に目をやる。


「これの意味って、Lv10になるまでに必要だった経験値が5110で、次にレベルが上がるのが10230に達した時って意味だよね?」


『はい。その通りでございます』


ニールの爽やかな声とは対照的に、蓮の表情が固まる。


たった一つレベルを上げるだけなのに、必要となる経験値が倍近くまで増えている。


その瞬間、蓮はオリバが言っていたことを思い出した。


ランクⅡのPLAYERがレベルを最大まで上げるためには、1000万を超える経験値が必要になる。


そして今、ニールはロアもLv20まで上げられると言った。


(自分もロアもLv20まで上げなきゃいけないのか……)


しかも、召喚対象の登録枠は最大20枠。


もちろん、その全てがモンスターになるとは限らない。


それでも――。


思えば、あの時レベル上げの話を聞いて驚いていたのは蓮一人だけだった。


オリバも。


大根も。


オクも。


ポロンも。


誰一人として、蓮ほど驚いてはいなかった。


「……こういうことか」


『どうされました? REN999様。ご不明な点がございましたら、遠慮なくお申し付けください』


「いや……大丈夫……」


ニールの心地よく爽やかな声が、今はきつい。


説明が分かりやすかったからこそ、蓮は大きくため息をついた。



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