第46話-聞くと行うは大違い
『それではREN999様。【召喚】を使用してみてください』
ニールに言われるまま、蓮は新たに習得した【召喚】を使用する。
すると、目の前に選択画面が表示された。
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召喚対象を選択してください。
【ロア】
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「今はロアだけか」
先ほど登録したばかりなのだから当然だろう。
蓮が【ロア】を選択すると、さらに確認画面が表示される。
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ランクⅠモンスターの召喚により
SPが20制限されます。
よろしいですか?
【YES NO】
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蓮は迷わず【YES】を選択した。
すると蓮の目の前に光の球が現れ、それが徐々にロアの姿へと変化していく。
登録の際に一度姿を消したロアが、先ほどまでと何ら変わらない元気な姿で再び蓮の前に現れた。
「おお! ロア!」
「ワウ!」
蓮の呼びかけに応えるように、ロアが元気よく鳴く。
見たところ、登録前と何かが変わった様子はない。
『それではREN999様。ご自身のステータスをご確認ください』
「俺の?」
言われるままステータスを開くと、先ほどまでとは異なる表示が追加されていた。
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SP:120(100/100)
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「おお……本当に20減ってる」
『正確にはSPが消費されたのではなく、【ロア】を召喚している間、使用可能な最大SPが20制限されております』
「そうだった。解除すれば元に戻るんだよな?」
『はい。その通りでございます。また、召喚モンスターのHPが0になった場合も、強制的に【解除】されます』
(やられた場合もってことか……)
これまで蓮にとって、ロアがやられることだけは何としても避けなければならなかった。
だが、召喚モンスターとなった今は、HPが0になったとしても強制的に召喚が解除されるだけらしい。
(これなら前よりは無茶させられる……いや、別に無茶させるつもりはないけど)
「ワウ?」
何となく嫌な予感でもしたのか、ロアが蓮の顔を見上げて首を傾げる。
「いや、何でもない」
蓮は誤魔化すようにロアの頭を撫でた。
「そういえば、ロアって召喚モンスターになって何か変わったのか?」
そう思った蓮は、そのままロアのステータスを確認してみる。
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【ロア】
種族:フリーウルフ(幼体)/召喚モンスター
ランク:Ⅰ
Lv:10
HP:100
SP:50
攻撃:10
防御:10
命中:10
抵抗:10
STR:10
VIT:10
AGI:10
INT:10
DEX:10
LUK:10
CHA:10
スキル:【サーブ】
必要経験値:5110/10230
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「へー……こんな感じなのか……って、あれ?」
各ステータスの数値は以前確認した通りだったので、特に驚くようなところはない。
しかし、一番下に表示された経験値を見て違和感を覚える。
「確か……ランクⅠの場合、最大レベルは10って聞いたんだけど……」
『はい。ランクⅠのPLAYERの場合、最大レベルはおっしゃる通り10となっております。ただし、召喚モンスターの最大レベルは、召喚士様の現在のランクによって変化いたします』
「召喚士のランク?」
『はい。現在REN999様はランクⅡですので、召喚モンスターもLv20まで成長させることが可能となっております』
「じゃあ、ロアはまだレベルが上がるってこと?」
『はい。その通りでございます』
「おお! マジか! でも……待って……」
一瞬喜んだ蓮だったが、すぐに何かに気づき、再びロアの必要経験値の欄に目をやる。
「これの意味って、Lv10になるまでに必要だった経験値が5110で、次にレベルが上がるのが10230に達した時って意味だよね?」
『はい。その通りでございます』
ニールの爽やかな声とは対照的に、蓮の表情が固まる。
たった一つレベルを上げるだけなのに、必要となる経験値が倍近くまで増えている。
その瞬間、蓮はオリバが言っていたことを思い出した。
ランクⅡのPLAYERがレベルを最大まで上げるためには、1000万を超える経験値が必要になる。
そして今、ニールはロアもLv20まで上げられると言った。
(自分もロアもLv20まで上げなきゃいけないのか……)
しかも、召喚対象の登録枠は最大20枠。
もちろん、その全てがモンスターになるとは限らない。
それでも――。
思えば、あの時レベル上げの話を聞いて驚いていたのは蓮一人だけだった。
オリバも。
大根も。
オクも。
ポロンも。
誰一人として、蓮ほど驚いてはいなかった。
「……こういうことか」
『どうされました? REN999様。ご不明な点がございましたら、遠慮なくお申し付けください』
「いや……大丈夫……」
ニールの心地よく爽やかな声が、今はきつい。
説明が分かりやすかったからこそ、蓮は大きくため息をついた。




