第44話-親の小言と冷酒は後で効く
「REN999様はランクⅡへ昇格し、職業が【召喚士】となりました。一部ステータスの変更と、今後はサロンへの参加が可能となります」
「サロンですか……?」
ランクアップと職業に関する手続きだけだと思っていた蓮に対して、受付嬢がサロンという初めて聞く言葉を投げかける。
「はい。簡単に言いますと、同一職業のPLAYER同士で利用するコミュニティでございます」
「はぁ……なるほど……」
まだPLAYERとしての期間が短いとはいえ、今まで一人で職業に関する情報を集めてきた蓮。
そこにいきなり他のPLAYERとのコミュニティと言われても、あまりピンとこないのも無理はない。
「ちなみに……それって、Gはどのくらいかかるんですか?」
昨日までひたすらGに関する話題ばかりだっただけに、否応なしに警戒してしまう。
「売買に関することでない限り、基本的に無料でご利用いただけます」
「無料なんですか?」
(ホントか……? 何かあるんじゃないだろうか……)
とうとう受付嬢の説明にまで疑問を感じ始める蓮。
「なお、ギルドの3階がREN999様もご利用いただける召喚士サロンとなっております。もしよろしければ、見学だけでもなさってください。ここまでで何かご質問等はございますか?」
「いいえ、特にありません」
「かしこまりました。それでは最後に、注意事項が一点ございます。今回ご案内した召喚士サロンですが、こちらは職業が【召喚士】の方のみが利用できる専用サロンとなっております。ですので、職業変更等をされた場合、その時点でご利用できなくなりますのでご注意ください」
「あー……分かりました」
最後に注意事項があると言われて身構えた蓮だったが、聞いてみれば当然のことを言われているようにしか感じなかった。
そのため、受付嬢からの注意事項を軽く聞き流してしまう。
この注意事項が非常に重要な意味を持っていたことに蓮が気づくのは、次のランクアップを迎えた時である。
(これで今から召喚士だな)
「そういえば、ステータスが変更になるって言ってたな」
蓮は受付嬢の言葉を思い出し、ステータスを確認する。
(装備は外しておいた方が分かりやすいかな…)
一度装備をすべて外してから、改めてステータス画面を開く。
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【REN999】
種族:人間
職業:召喚士
ランク:Ⅱ
Lv:1
HP:300/300
SP:120/120
攻撃:30
防御:26
命中:25
抵抗:25
STR:30
VIT:30
AGI:22
INT:24
DEX:31
LUK:22
CHA:41
称号:【捨狼握飯】
スキル:【召喚/解除】
固定スキル:【開拓士の目】
必要経験値:0/20
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「おー、ステータスが少しだけど上がってる」
蓮は【召喚士】になった場合、レベルとともにステータスも最初からになるのではないかと考えていた。
だが、どうやら違ったらしい。
今まで上げてきたステータスがそのまま引き継がれていることに、蓮は安堵する。
「それより……【召喚/解除】ってなんだ?」
試しにスキル選択画面から【召喚】を選択してみる。
しかし、何の表示も出てこない。
(あれ……?)
蓮の予想では、【召喚士】になればロアがそのまま召喚モンスターになるのだと思っていた。
だが、当のロアはこちらを可愛らしく見つめているだけだ。
「ロア、お前……召喚とかできないのか?」
「ワウ?」
(ん~……いまいち分からん……)
そこで蓮は、先ほど受付嬢から聞いた「サロン」という言葉を思い出す。
「もしかしたら、サロンに行かないといけないのか?」
これまでこのゲームをプレイしてきた経験から、未知のものに対する警戒心がすっかり高くなってしまった蓮。
(有料って言われたら、即座に引き返してやる……)
そう心に決め、召喚士サロンのある3階へと上っていった。




