↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生
第1章【砂に黄金、泥に蓮】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
40/91

第40話-晴天の急雷

「餌場ってぇと……あの、経験値上げのとこか?」


「そう、その餌場だよ」


アセット・フロンティア・オンラインを始めて間もない蓮にとって、いまいちピンとこない言葉だった。


だが、今のモルスの質問から、どうやらモンスターと戦って経験値を稼ぐ場所のことを言っているのだろう、ということだけは理解できた。


「RENさんはゲームを始めたばかりだと聞いていますが、今のモルスの話でなんとなくは分かりましたか?」


「あー……はい。本当になんとなくですけど……」


「なんとなくで大丈夫です。それで、始めたばかりの方に言うことではないのかもしれませんが――」


オリバが少し間を置く。


「このゲームって、実は結構脱落者が多いんです」


「脱落者……」


まだ大したキャリアがあるわけではない。


それでも蓮なりに、このゲームを始めてから感じた嫌な部分を思い返してみる。


「そこで質問なんですが、脱落者が多い一番の理由ってなんだと思いますか?」


「えっ……システムが説明されてなかったりとか……?」


「んー……それは不満点かもしれませんが、脱落するほどではないと思います」


「そうなんですか?」


オリバがニコリと微笑む。


「正解は、レベル上げです」


「レベル上げ?」


蓮はここ数日で行ったレベル上げを思い出す。


(確か、レベル10までに必要な経験値は5,000くらいだったよな……)


一日中ゴブリンを倒し続けたため、決して楽だったとは思わない。


だが――。


(時間はかかったけど……脱落とか挫折するほどか?)


少なくとも蓮にとっては、そこまで大きな壁だったようには思えなかった。


「RENさんが今いるランクⅠでは、レベル10まで上げるのに必要な経験値は確か5,000くらいでしたよね?」


「はい。そのくらいでした」


「では、RENさんがランクⅡになった場合、最大レベルは20になります」


「レベル20……」


「そこまで上げるのに必要な経験値、いくつくらいになると思いますか?」


「えっ?」


突然聞かれて、蓮は少し考える。


先ほどからオリバには驚かされてばかりである。


ならば今度はこちらから、思い切り高い数字を言ってやろう。


(どうせまた、とんでもない数字なんだろ……)


ランクⅠで約5,000。


その100倍も言っておけば、さすがに十分だろう。


「あー……100倍の500,000くらいですか?」


「10,000,000を超えますよ」


「…………」


凍りついたのは、蓮一人だけだった。


すぐに周囲を見渡す。


ポロン。


大根。


オク。


そしてモルス。


四人とも、何事もなかったかのように平然とオリバの話を聞いている。


(……え?)


もう一度、頭の中で数字を確認する。


10,000,000。


聞き間違いではない。


(いやいやいや……レベル上げるだけだよな?)


どうやら蓮が思っていた以上に、このゲームのレベル上げというものは、とんでもない代物らしかった。


「それなのに、通常の敵から得られる経験値はたかが知れています。無理をして格上の依頼を受けようとしても受けられない。逆にランクの低い場所へ行っても経験値が入らない。とにかく制限が多いんですよ」


「あー……そういえばモルスさんが、ゴブリンで経験値をもらえるのはランクⅠの間だけとか言ってましたね……」


ポロンと二人でモルスの店を訪ねた時の記憶が蘇る。


「そう。それだけに、真剣にこのゲームをやっている人間ほど、効率よく経験値を稼げる場所を探しているんです」


「「「……」」」


蓮、モルスを除く三人の顔が上がる。


(えっ……マジなの?)


どうやらオリバの話は、蓮が思っている以上に重要なものらしい。


「そこで利用するのが闘技場です」


「闘技場を?」


「はい。召喚したモンスターとPLAYERを戦わせて、PLAYER側に経験値を稼がせるというわけです」


「へー……なるほどなぁ……」


先ほどまでオクが考えていた、モンスター同士を戦わせて客に賭けてもらう闘技場とは、まるで発想が違う。


見せるために戦わせるのではない。


客自身に戦わせるのだ。


「そして、このやり方には実は一つポイントがあります」


「ポイントですか?」


「はい。先ほどRENさんは、ゴブリンで経験値をもらえるのはランクⅠの間だけと言いましたよね?」


「はい。言いました」


「ですが――」


オリバが人差し指を一本立てる。


「召喚したモンスターをPLAYERが倒した場合、相手とのランク差に関係なく経験値がもらえるんです」


「えっ……ホント?」


「ホンマか!?」


「本当ですか?」


それまで黙って話を聞いていたポロンたちまで、一斉に声を上げる。


蓮よりも他のクランメンバーが、今日一番の食いつきを見せた瞬間だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。