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アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生
序章【見習い開拓士】

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30/32

第30話-持久戦

 ターレスの前に立ちはだかったとはいえ、相手は普通のゴブリンである。


 突然の増援に気を取られはしたものの、一度攻撃に移ってしまえば問題はない。


 蓮が鞭を振るうと、再び十匹のゴブリンがまとめて倒れていく。


「よし……!」


 これで再びターレスまで攻撃が届く。


 そう思った直後、今度はロアが勢いよくターレスへと飛びかかった。


━━━━━━━━━━━━━


ロアの攻撃!


ターレスにミス!


ダメージを与えられない!


ターレスはにやついている。


━━━━━━━━━━━━━


「うわ~……なんだコイツ、ムカつく……」


 まるでロアを馬鹿にしているかのような反応に、蓮が顔をしかめる。


 すると――。


━━━━━━━━━━━━━


ターレスは口笛を吹いた。


ゴブリン×10が現れた。


ゴブリン達がREN999達の前に立ちはだかった。


━━━━━━━━━━━━━


(おいおい……なんだよこれ。またかよ……)


 蓮はターレスへと攻撃を合わせようとする。


 だが、先ほどと同じ。


 前方にゴブリンがいるせいで、ターレスを攻撃対象に選ぶことができない。


「はぁ……」


 仕方なく、再びゴブリンへと鞭を振るう。


━━━━━━━━━━━━━


REN999の攻撃!


━━━━━━━━━━━━━


 先ほどと同様、十匹のゴブリンが一掃される。


 これで、またターレスを狙える。


 しかし――。


 そこから先も、同じような戦闘が何度となく繰り返された。


 ターレスが口笛を吹く。


 ゴブリンが十匹現れる。


 蓮がゴブリンを一掃する。


 前衛がいなくなったところで、ようやくターレスへ攻撃できる。


 そして、再び口笛――。


「…………」


 ダメージは受けている。


 決して楽な戦闘ではない。


 それなのに、不思議と苦戦しているという感覚も薄かった。


 目の前のゴブリン十匹は、蓮にとってすでに敵ではない。


 一度鞭を振るえば、それだけで全滅する。


 だが――。


(このままじゃ、キリがないな……)


 倒しても、倒しても。


 ターレスへ満足に攻撃できない。


 そんな状況に、蓮も明らかに苛立ち始めていた。


 そして、時折ロアの攻撃がターレスに当たると――。


━━━━━━━━━━━━━


ロアの攻撃!


ターレスに1のダメージ!


ターレスはロアを睨みつけた。


ロアは怯えている。


━━━━━━━━━━━━━


「またかよ……」


 ターレスはロアを睨みつけると、そのまま弓を構える。


━━━━━━━━━━━━━


ターレスの【二本撃ち】!


ターレスはロアを狙った!


【守りの盾――かばう】


REN999に34のダメージ!


REN999に33のダメージ!


━━━━━━━━━━━━━


「ぐっ……!」


 当然、その攻撃は【かばう】によって蓮が引き受けることになる。


 HPに余裕があれば、そのままターレスを攻撃する。


 余裕がなければ、ポーション(中)で回復する。


 そして、またゴブリンが現れる。


 倒す。


 ターレスを攻撃する。


 ロアが攻撃する。


 ターレスが反撃する。


 回復する。


 またゴブリンが現れる。


「…………」


 一向に終わりが見えない。


(これ……マジでいつまで続くんだ?)


 蓮が攻撃を続ければ、少しずつではあるがターレスのHPを削ることはできる。


 だが、蓮が持っている回復アイテムにも限りがある。


 特に頼りになるポーション(中)は、ポロンからもらった十本しかない。


 そんな無駄とも思えるような攻防が、何度となく繰り返された。


 そして――。


(……あと三本)


 ポーション(中)の残りが三本になった時。


 それまで延々と続いていた膠着状態が、唐突に崩れた。


━━━━━━━━━━━━━


ターレスは口笛を吹いた。


SPが足りない。


━━━━━━━━━━━━━


「…………えっ?」


 一瞬、蓮の動きが止まる。


(えっ……マジで?)


 ゴブリンが――現れない。


 それまで何度倒しても蓮の前へ現れていた十匹のゴブリンが、今回は一匹も現れなかった。


 ターレスの前には、何もいない。


「お、おお……!」


 蓮はすかさずターレスへと攻撃を仕掛ける。


━━━━━━━━━━━━━


REN999の攻撃!


ターレスに21のダメージ!


━━━━━━━━━━━━━


 攻撃が通る。


 そして今度は、ターレスが弓を構えた。


(来るか……!)


━━━━━━━━━━━━━


ターレスは【二本撃ち】を発動しようとした。


SPが足りない。


━━━━━━━━━━━━━


「…………」


 蓮はしばらく無言でターレスを見つめた。


(何だコイツ……頭悪いな)


 さっきまでの苛立ちが嘘のように消えていく。


 口笛も使えない。


 二本撃ちも使えない。


 SPを使い果たしたターレスから、あれほど厄介だった攻撃手段が一気に失われていた。


「よし……これならいける!」


 もちろん、通常攻撃まで弱くなったわけではない。


 一発一発のダメージは相変わらず大きい。


 それでも、ゴブリンに攻撃を邪魔されることなく、ターレスだけを狙い続けられる。


 そうなれば、先ほどまでとは話が違った。


 蓮は攻撃する。


 ターレスも弓を放つ。


 HPが減れば、ポーションを使う。


 そして、また攻撃する。


 互いのHPを削り合うような戦いが続いていった。


 ポーション(中)が残り二本。


 一本。


 そして――ゼロ。


 それでも戦闘は終わらない。


「まだかよ……!」


 今度は通常のポーションを使いながら、蓮はターレスへの攻撃を続ける。


 一本。


 また一本。


 確実に回復アイテムが減っていく。


 それでも、ターレスのHPもまた確実に削れていた。


 そして――。


 ポーション(中)は全て使い切った。


 通常のポーションも、残り五本。


 そんなところまで追い込まれた時。


━━━━━━━━━━━━━


REN999の攻撃!


ターレスに20のダメージ!


ターレスを倒した!


━━━━━━━━━━━━━


「…………」


 蓮はしばらく、その場に立ち尽くしていた。


 そして、倒れたターレスを確認してから、大きく息を吐く。


「ふぅぅぅ……やっと倒した……」


 長かった。


 本当に長かった。


 だが――。


 蓮はついに、ターレスとの長い戦いに勝利した。


2026年9月4日 11~12時更新で、


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読んでいただいている皆様のおかげです!

めっちゃ嬉しいです!


これからも頑張って更新していきますので、よろしくお願いします!

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