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アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生


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第21話-レベルアップ

 蓮は今、再びゴブリンフィールドへと戻ってきていた。


 モルスの武器屋を出てからというもの、蓮はポロンに何度も自分の失言を謝った。


 ポロンは「私も前もって言ってなかったからね~」と気にしていない様子だったが、それでも蓮としては何ともやるせない。


 そんな一幕はあったものの、ポロンとモルスの交渉によって手に入れた装備はかなりのものだった。


━━━━━━━━━━━━━


【守りの盾】

防御+50

付加スキル:【かばう】


【鞭】

攻撃+7


【派手な帽子】

INT+10

LUK+10


【見習いローブ】

SP+10

INT+10


【静歩のサンダル】

INT+2


【薄明りのペンダント】

INT+5


━━━━━━━━━━━━━


 個々の値段については蓮には分からないが、モルスによればオークションでの平均相場を合計すると12000Gほどになるらしい。


 当初は5000Gほどの【守りの盾】一つに40000G以上を支払う可能性があったことを考えれば、蓮としては大満足だった。


 そして、守りの盾と鞭以外がINTを上昇させる装備に偏っているのにも理由がある。


 ゴブリンフィールドの奥へ進むと、範囲魔法を使うモンスターが出現するらしい。


【かばう】は魔法に対しても有効らしいのだが、問題は受けるダメージだった。


 このゲームでは物理攻撃に対しては防御が、魔法攻撃に対してはINTが防御性能に関係しているという。


 【守りの盾】の防御+50があれば、クリティカルなどを除いて、この辺りのモンスターから受ける物理ダメージはほとんど気にしなくていい。


 ならば残りの装備でINTを上げ、魔法への耐性を高めた方がいい――というのがポロンのアドバイスだった。


「それにしても……。」


 蓮は歩きながら、自分の格好を改めて確認する。


 大きな盾に鞭、派手な帽子にローブ、そしてサンダル。


(ものすごい格好だな……。)


 見た目だけなら、まともに歩けるのかすら怪しい。


 ところが実際に歩いてみると、不思議なくらい邪魔に感じなかった。


(この辺もゲームだからなのか?)



 蓮はここで、現在の自分のステータスを確認する。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


名前:REN999

種族:人間

職業:見習い開拓士

レベル:1

職業ランク:Ⅰ


HP:100

SP:195


攻撃:17

防御:60

命中:13

抵抗:13


STR:10

VIT:10

AGI:10

INT:37

DEX:10

CHA:30


職業スキル:【開拓士の目】


称号:【捨狼握飯】


経験値:7/10


━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「よし! やるか。」


 気合を入れ直した蓮は、ロアと一緒にフィールドを回り始める。


 そういえば店を出る前、モルスはこんなことを言っていた。


『【フリーウルフの心】なんてオークションで落札すりゃ、何回でもやり直せるんだからよ。』


 だが、蓮の中ではそれは完全に反則認定だった。


(死んだら次のフリーウルフって……それは違うだろ。)


 少なくとも蓮が育てると約束したのは、今ここにいるロアなのだ。


 そんなことを考えながら歩いているうちに、前回引き返した地点よりも少し奥まで来ていた。


「ん……?」


 なんとなくだが、右斜め前方から何か音が聞こえた気がする。


 蓮は不意に足を止めた。


 その次の瞬間――。


 周囲の景色が戦闘画面へと切り替わる。


━━━━━━━━━━━━━


【ゴブリンが三体現れた】


━━━━━━━━━━━━━


「三体……。」


 蓮はモルスから聞いた【かばう】の説明を思い出す。


「確か、装備してるだけで効果があるんだよな……。」


 前回なら、この時点でロアを逃がすことしか考えられなかった。


 だが、今は違う。


 蓮は左手の【守りの盾】を構え、右手の鞭を握り直す。


(まずは……試してみるか。)


 正面を見ると、前回同様、ゴブリンたちのゲージはまだ溜まりきっていない。


「よし、先手はもらった。まずは鞭からだ。」


 蓮は【戦う】を選択する。


━━━━━━━━━━━━━


【REN999の攻撃】


【ゴブリンAに13のダメージ】


【ゴブリンBに11のダメージ】


【ゴブリンCに9のダメージ】


【ゴブリンの群れを倒した】


━━━━━━━━━━━━━


「ふぅ……。」


 鞭の効果を実感しながら、蓮は小さく息を吐く。


(本当に三体まとめて倒せた……。)


 そのまま表示されるメッセージを確認していくと――。


━━━━━━━━━━━━━


【REN999たちは、それぞれ17の経験値を獲得した】


【REN999のレベルが2に上がった】


━━━━━━━━━━━━━


「おっ! レベルアップだ!」


 念願のレベルアップ。


 蓮は思わず、左手の盾を一層強く握りしめた。


━━━━━━━━━━━━━


【REN999のステータスが上昇しました】


STR+2

VIT+2

AGI+1

INT+1

DEX+2

LUK+1

CHA+1


【ロアのレベルが2に上がりました】


━━━━━━━━━━━━━


「やった! ロアもレベルアップした!」


 オールステータス1だったロアの、初めてのレベルアップ。


 蓮としては、自分がレベルアップしたこと以上に嬉しかった。


 さっそくロアのステータスを確認してみる。


━━━━━━━━━━━━━


【ロアのステータスが上昇しました】


STR+1

VIT+1

AGI+1

INT+1

DEX+1

LUK+1

CHA+1


━━━━━━━━━━━━━


「…………。」


 全部、きれいに一ずつだった。


「やっぱり……成長も弱いんだな。」


「ワン!」


「いや、悪口じゃないぞ。」


 何かを察したのか元気よく鳴くロアに、蓮は慌ててそう付け加えた。

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