↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アセット・フロンティア・オンライン  作者: 床間信生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/27

第18話-複数攻撃

 ポロンと話をしている途中、蓮はふと一人の人物を思い出した。


(そういえば……。)


 ログイン初日に訪れた武器屋。


 そこで出会った、ぶっきらぼうではあるものの、初心者の蓮に色々と教えてくれた店主だ。


 武器を扱っているくらいなのだから、戦闘や装備について何か知っているかもしれない。


 そう考えた蓮はポロンにそのことを話し、一緒に来てもらうことにした。


   ◇ ◇ ◇


「すいませーん。」


「お邪魔しまーす。」


 二人で武器屋へ入る。


「はいよ。らっしゃい。」


 店の奥から、以前と変わらないぶっきらぼうな声が返ってきた。


 ほどなくして姿を現した店主は、蓮を見るなり少し眉を上げる。


「あー……お前、確か一昨日くらいに来たルーキーだよな?」


「あっ、覚えてるんですか?」


「まあな。それで? 今日はどうした?」


「実は……ちょっと聞きたいことがあって。」


 そこで蓮は、店主にこれまでの経緯を説明した。


 【フリーウルフの心】を手に入れたこと。


 売却も加工もせず、フリーウルフを仲間にしたこと。


 ロアと名付け、育てることにしたこと。


 そして――。


「こいつを死なせないで育てる方法を探してるんですけど……。」


「…………。」


 店主は蓮の足元にいるロアを見た。


「お前……また妙なこと始めやがったな。」


「……やっぱり、無理ですかね?」


 蓮は店主の顔色を窺うように尋ねる。


「あー、まあ……手段なら結構あるぞ。」


「えっ?」


 予想外の返答に、蓮は思わずポロンと顔を見合わせた。


 ポロンも驚いたような表情を浮かべている。


 どうやら店主は、【フリーウルフの心】について何かしらの知識を持っているらしい。


「それで! どんな手段があるんですか?」


 思わぬところで突破口が見つかった。


 蓮は、はやる気持ちを抑えきれないまま店主へ詰め寄る。


「まあ、そう慌てんな。」


 対する店主は、そんな蓮を面倒くさそうに片手で制した。


「まず、お前さん……あー、そういや名前聞いてなかったな。俺はモルスだ。そう呼んでくれ。」


「はい。俺はRENでいいです。」


「RENな。分かった。」


 モルスは一度頷くと、改めて蓮を見る。


「それで、職業はなんだ?」


「開拓士です。」


「開拓士?」


 その答えを聞いた途端、モルスの表情がわずかに曇った。


「戦闘系でも魔法系でもねぇのか……。あーん……。」


「…………。」


 ポロンに相談した時と同じような反応だった。


 どうやら【開拓士】という職業は、今回の問題を解決するうえではあまり都合がよくないらしい。


「だとすると、魔法はあまり勧められねぇな。武器も……鞭系は厳しいか。」


「鞭?」


 聞き慣れない選択肢が出てきて、蓮は首を傾げた。


「おう。鞭っていうのは、そこに置いてある武器なんだけどよ。」


 モルスが店の奥に並べられている武器の一つを指差した。


「一回の攻撃で複数の相手にダメージを与えられる代物でな。一見すると今回みてぇな状況には良さそうだろ?」


「はい。」


「ただ、二体目、三体目と攻撃する相手が増えるほど、ダメージにマイナス補正がかかっちまう。」


「あー……。」


「戦士系の職業だったら、職業ランクⅠでもレベル10まで上げりゃ何とかなるらしいぞ。」


「戦士系だったら……ですか。」


 期待が外れ、蓮は少し肩を落とした。


 だが同時に、モルスの言った別の言葉が引っかかる。


(『何とかなるらしい』……?)


 もしかするとモルスは、フリーウルフの育成に成功した者を知っているのではないだろうか。


「あとは……魔法系だよな。」


 モルスは別の場所から一本の杖を取り出した。


「例えば、こいつだ。」


━━━━━━━━━━━━━


【いかずちの杖】


━━━━━━━━━━━━━


「戦闘中に使えば、敵全体に雷属性の魔法攻撃ができる武器だ。」


「それなら良さそうじゃないですか?」


「ところが、魔法の仕組みを知らねぇと結構使いづらいんだよな。」


「使いづらい?」


「おう。このゲームの魔法ってのはな、使ったSPの量とINTなんかで威力が変わる。」


「えっ?」


 蓮は一瞬、意味が分からず首を傾げた。


「消費SPが決まってるとかじゃないんですか?」


「違うなぁ。こいつを使うとな、まず消費するSPを自分で決める画面が出てくる。」


「自分で決める?」


「おう。で、使ったSPと敵の数、それに職業によるスキル倍率。そいつにINTなんかが絡んで、最終的なダメージが決まるって仕組みだ。」


「じゃあ、敵が多いと……。」


「当然、一体あたりに与えられるダメージは落ちる。倒したきゃ、その分SPを多く突っ込む必要があるってことだな。」


「なるほど……。」


「まー、今言ったのは基本だけどな。魔法系の職業なら補正もあるから何とかなるが、そうじゃねぇ奴が敵の多いところで使うとなると、かなりキツいと思うぞ。」


「SPが足りないだけなら、SP回復薬を使うって手段もあるけど……問題は仕留めきれなかった時だよね。」


 ポロンがロアの頭を撫でながら言う。


「生き残ったモンスターの矛先が、この子に向いたらねぇ……。」


「…………。」


 蓮はポロンの手元にいるロアを見る。


「まー、今言ったのは基本だけどな。」


 モルスはそう言うと、何かを思い出したようにカウンターの下へ手を伸ばした。


「んで、両方がダメな場合は――こいつかな?」


「?」


 モルスがカウンターの下から取り出したのは、一枚の大きな盾だった。


「こいつは【守りの盾】って装備だ。」


「守りの盾……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。