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聖女召喚!……って俺、男〜しかも兵士なんだけど……??  作者: バナナ男さん
本編

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23 チグハグ

「聖女の遺産……ねぇ?」


<超聴覚>を持っている俺には丸聞こえの会話に耳を傾けながら、その胡散臭さに、う〜ん……と首を傾げた。


聖女に関しての記録にも数多く出てくるその『遺産』とやら。

不治の病を治すモノやモンスター達を殺す毒の様なもの、その他にもかなり多くの種類があった様で、その中でも今しがたザイラスが話していたモノこそユニークモンスターを倒した最高傑作であると残された資料に書かれていた。


その聖女様は力を失った後もクスリを作り続け、その多くのクスリが今も尚使われ続けている事を考えれば……恐らく彼女はかなり科学が発達した世界から来たのでは?と推測できる。


それこそ俺がいた世界並……いやそれ以上に科学が発展していた世界から……。

益々深まる異世界の謎に頭はハテナの大渋滞だ。

しかも……?


「その『聖女の遺産』だけじゃないんだよな、やたら高い科学力を感じる代物……。」


王様が住んでいる王宮がココ、そしてこの王宮を中心に街が広がっているわけだが、俺の元いた世界と同じく街の周りは頑丈そうな防壁で囲まれている。


討伐場所に行くにはその防壁を出る必要があったため、王宮から街を抜け、そこに辿り着いたのだが、その完璧とも言える出来に大層驚かされた。


高い科学技術を基に、更に魔法を融合させた防壁。

性能に関して言えば、モンスターよりも遥かに強いクリーチャーの攻撃にも恐らく単体なら耐えられる程の出来だったし、更にそういった『科学』を基にした代物は、王宮から防壁に向かう途中に通った街中にも数多く見られた。


座っているソファーの背もたれにドサっと寄りかかりながら、どうにもそのチグハグさが引っ掛かり頭を悩ます。


今まで見かけたその科学を感じる代物達と、この王宮の図書館の中の秘密の部屋で見た数々の記録を照らし合わせると、どうやら歴代聖女達の持っていた知識が元になっている様だった。


「だから少なくとも全員『魔法』という概念はない世界から来たと思うんだよな。魔法があったら科学は発展しないはずだし……。」


なんてったって簡単に命じるだけで火が出たり水が出たりするのだから、あえて科学の力でそれをしようとは思わないだろう。

そのためあくまでこの国では、その魔法を補助するために『科学』を使っているという感じではあるが……。


う〜ん……と考え込みながら、俺は人差し指にポッ!と小さな火を灯してみると、そういえば……と今回のユニークモンスター討伐で気づいた事を思い出す。


「空気中に漂うこのエネルギー、人間だけじゃなくモンスターも体に吸い込んじまうんだな。しかもその量は人間の非じゃないほど多い。」


討伐の際に、このエネルギーの流れをよく観察してみたのだが、人が1ならモンスターは100……いや1000くらい?

とにかくかなり吸い込んでしまう量が多く、沢山いたらエネルギーが無くなっちゃうんじゃないか?と心配する程。


『モンスターは集まるとパワーアップするという性質を持っています。

ですので、どんなに弱いモンスターでも集まったら必ず注意して戦っていますね。』


討伐の帰りにアルベルトが言っていた言葉がフッと頭を過ぎると、もしかして……と一つの疑惑が思い浮かび上がった。


「もしかしてモンスターがパワーアップするんじゃなくて、人間が────。」


────コンコン。

答えに辿り着きそうになった瞬間、扉を叩く音でハッ!と我に返る。


どうやらレオンハルトはその謎のクスリ、『聖女の遺産』とやらを飲んだ状態で扉の向こうにいるらしい。


あいつ、そんな変な物飲んで大丈夫か〜?


正体不明の薬を接種してしまったレオンハルトを心配したが、扉の向こうにいるレオンハルトの心拍や血液の流れる音からも、危険薬物を接種時特有の変化はなさそうだ。


ちなみに俺の身体は<超回復>があるため、認識阻害薬だろうが何だろうが、どんな毒でも一度経験すれば少しづつ回復し、その後は二度とその効果を受け付けなくなる。

つまりその『聖女の遺産』が仮に本物だとしても、少し時間を置けば身体がその阻害とやらに慣れて、その効果は一切効かなくなるというわけだ。


俺は大丈夫だけど……とりあえずレオンハルトの身体の状態を確かめておいてやるか。


「入っていいぞ〜。」


そう思いながら軽く返事をすると、扉はゆっくりと開いていった。

そして入ってきたのはレオンハルト────ではなく、記憶にあるままの姿の……杏花であった。


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