第35話 魔法使いのエヴァン
(…………)
宗平は感情が薄い表情。状況が状況……宗平は、あまり人前で感情をアピール出来る気持ちではなかった。何故なら大勢の人を殺してしまった思いだ……良かれとした自分の思い上がりのせいで……。
「あれあれ何ですかッ!!その薄い表情はッ!!魔法使いって言ったら、うわーすごーいッ!!キャーステキー、エヴァンちゃーん……って讃えるべきなんではッ!!」
宗平とは裏腹にエヴァンはテンション高くプンプンと、訴える。魔法使い、この世界では高等かつ名誉な職業であり、素質が高い人しか就くことしか出来ない。エヴァンのノリに宗兵は無気力な表情を浮かべ、口を開く。
「へぇ………そうなんだ……」
宗平は言う。
宗平の言葉にエヴァンは眼鏡をクイッと直し、ムムッと口を開く……。
「ムッ、分かりました……ではアナタの驚かせて差し上げましょう」
エヴァンは左手を掲げ、慣れた様子で唱える。
───宗平は面倒臭い様子で眺める。
「それッ!!ホラ、炎、次は氷、雷ッ!!まだまだ、行きますよーーーッ!!て、こらーッ!!」
エヴァンは掌に炎の球、氷の霧、雷の柱を出現させ、魔法を披露するが、そのまま無視して通過する宗平に声を上げ、引き止める。
「えっと………何か?」
宗平は感情薄い表情を浮かべ、振り向く。
「何かって?……この私をここまでコケにするとは……フフフフ、ハハハハハッ!!」
エヴァンは自棄になり、大爆笑する。
(ええっと……何て返せば?)
エヴァンのノリに、宗平は困惑。こーゆーハイテンションな奴は、苦手である……。するとエヴァンは町中を眺める。
「それにしても、町が様変わりしましたね?……まさか、アナタが?」
「君は何を想像してるんですか?」
宗平はエヴァンの言葉にツッコミの一言を入れ、質問をする。するとエヴァンは犬のようひクンクンと鼻を効かせ………。
「それは、アナタが……。うん、この香りは、師匠のアップルパイッ!!。そう、私は師匠やアリシアから頼まれて世界の情報収集の任務から帰って、報告しに行くのだった。………おい、お前も行くか?お師匠さまのアップルパイは飛んでいくほど格別だぞい?」
エヴァンは瞳をパチパチと輝かせ、希望に満ちたオーラで勧めてくる。師匠のアップルパイは、エヴァンの大好物であり、かなりの距離から離れていても、匂いで分かる。それに宗平については、調べたい事が色々あるからだ。
「はぁ……」
宗平はエヴァンのノリに疲れる様子で………とりあえずついていく事にする。




