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スタビライズの使い方

「よし。彩輝も回復したことだし、バグを倒してしまってくれ。いつ目覚めるかわからないからな」

「2匹だから、あたしと時枝で1匹ずつ倒せばいいよね?」

「そうしてくれ」

「じゃあ、とりあえず1匹倒しちゃうね」


安峰さんが眠ったバグの前に仁王立ちする。


「うおりゃあ」


安峰さんの〈ブレーク〉が炸裂する。


「あれ? LVが2上がった」


  ――――――――――――――――

  名前          安峰流伽

  ――――――――――――――――

  LV             5

  属性             善

  ――――――――――――――――

  分類          ユーザー

  性別             女

  年齢            18

  ――――――――――――――――

  電池          100%

  状態            正常

  ――――――――――――――――

  アプリ           3 ›

  ――――――――――――――――


「LV2のバグだったんだ? バグのステータス見てなかったわ」

「そうだったんだろうな。それで、アプリは何が手に入った?」


  ――――――――――――――――

  スリープ       12 / 15

  ブレーク       14 / 15

  スタビライズ     15 / 15

  ――――――――――――――――


「〈スタビライズ〉だって」

「おお。めちゃくちゃいいアプリじゃないか」

「そうなの? クォータが15だから普通のかと思ったけど」

「別にレアだからっていいアプリってわけじゃないし、コモンだからってだめなアプリじゃないぞ」

「ふうん。それで、どんなアプリなわけ?」

「やっぱりカメラ系のアプリなんだけど、誰かにフォーカスしてボタンを押すと、そいつを状態異常から回復できるんだ。すべての状態異常に効果があるわけじゃないけどな」

「へえ。さっきの毒とかは?」

「効果があるよ」

「――それなら、時枝の回復を待たずに先にバグを倒した方がよかったんじゃない?」

「まあ、結果としてはそうなんだけど、そんなアプリが都合よく手に入ると思わないだろうが」

「僕の苦しみはなんだったのか――」

「ケッ。文句があるなら〈ロールバック〉でやり直せ」

「それってあんまり意味なくない? 毒に苦しんだ僕の記憶は別に消えないじゃん。どうせ元の世界に戻れば電池は回復するんだし」


僕は文句を言いながらバグの前に立った。

〈スタット〉を使ってみると、バグはこんなステータスだった。


  ――――――――――――――――

  名前            モス

  ――――――――――――――――

  LV             2

  属性             悪

  ――――――――――――――――

  分類            バグ

  性別            不明

  年齢            不明

  ――――――――――――――――

  電池          100%

  状態            休止

  ――――――――――――――――


〈タイムボム〉を開いた僕は、タイマーを1秒にセットして爆弾を投げつけた。


――1発目。通知は来ない。

――2発目。まだ通知は来ない。

――3発目。ようやく通知が来た。


  バグを殺しました。

  LVが2上がりました。

  アプリを1個入手しました。


「よし。倒せた」


  ――――――――――――――――

  名前          時枝彩輝

  ――――――――――――――――

  LV             4

  属性             善

  ――――――――――――――――

  分類          ユーザー

  性別             男

  年齢            17

  ――――――――――――――――

  電池           90%

  状態            正常

  ――――――――――――――――

  アプリ           3 ›

  ――――――――――――――――


「アプリは何が手に入った?」

「多分、攻撃アプリだと思うけど――」


  ――――――――――――――――

  タイムボム      12 /15

  ロールバック      3 / 3

  バックスラッシュ   15 /15

  ――――――――――――――――


「やっぱり。〈バックスラッシュ〉だ」

「〈バックスラッシュ〉か。普通は〈スラッシュ〉から派生して手に入るんだが、〈ロールバック〉からも派生するのか。でも、なんでやっぱりなんだ?」

「前回、一瞬だけLV4になったからね。結局、〈ロールバック〉で時間を巻き戻しちゃったけど、使い方は知ってる」

「ん? 貴様ら、前回は出動しなかっただろうが。LVが上がる機会なんてあったのか?」

「悪堕ちした斜木を殺したんだよ」

「――何の話だ?」

「あれ? ケット・Dに報告してなかったっけ?」

「吾輩は全く聞いてないぞ」

「斜木に襲われたことは報告したじゃん」

「だから、そんな報告受けてないって。クー・Dの配下が1人終了したところまでは知ってるけど――」

「いや、報告したってば。ただ、その後に僕が〈ロールバック〉で時間を巻き戻したから、ケット・Dはそのことをすっかり忘れちゃっているんだよ」

「こら! 吾輩が悪いみたいに言うな。要は、今の吾輩には報告してないってことじゃないか。何があったんだ?」

「実は大変だったんだよ――」


僕は斜木が引き起こした事件を無知なケット・Dに説明してやった。


その間に、ワームホールが閉じていく。

全てのマイナーワームがその中に飛び込んでしまえば、今回の僕たちの出撃はそれで終わりになるはずだった。

2025/02/01:スタビライズの効果の変更と表現の修正

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