戦果
僕は〈スタット〉を開いて、斜木のステータスを念のために確認する。
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名前 斜木双葉
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LV 0
属性 中立
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分類 ユーザー
性別 男
年齢 17
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電池 0%
状態 終了
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問題ない。ちゃんと終了している。
安峰さんは――?
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名前 安峰流伽
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LV 0
属性 中立
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分類 ユーザー
性別 女
年齢 18
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電池 0%
状態 終了
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こちらも終了してしまっている。
自分のステータスも見てみる。
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名前 時枝彩輝
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LV 4
属性 善
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分類 ユーザー
性別 男
年齢 17
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電池 60%
状態 正常
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アプリ 7 ›
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これは――。
ある意味、素晴らしい戦果じゃないか。
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タイムボム 11 /15
ロールバック 1 / 3
スラッシュ 15 /15
バックスラッシュ 15 /15
ダブルスラッシュ 7 / 7
ブレーク 15 /15
スリープ 15 /15
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通知の通り、LVが2上がって、アプリなんて5個も増えている。
ホーム画面にも入手したアプリのアイコンがずらりと並ぶ。
〈スラッシュ〉は斜線1本アイコン。単純な直線じゃなくて、ちょっと斬撃っぽい線になっている。
〈バックスラッシュ〉も斜線1本のアイコンだけど、〈スラッシュ〉とは斜線の向きが反対。
〈ダブルスラッシュ〉は斜線2本のアイコン。〈スラッシュ〉と斜線の向きは同じ。
〈ブレーク〉は縦線が1本のアイコン。
〈スリープ〉はZZZのアイコン。
あれ? と僕は思った。
1個足りない。
番町皿屋敷ではないけれど。
僕が持っていたアプリは2個。
斜木が持っていたアプリは5個。
合計7個。
でも、斜木を倒したことで僕はLV4になったわけだから、LV2²で、さらに新しいアプリを手に入れられるはずなのだ。
それがない。
ひょっとすると、僕がLV4で入手するのは、斜木が持っていたアプリのどれかかもしれない。
それを斜木から入手してしまったために、重複してしまってアプリ入手の機会を失ってしまったわけだ。
まあ、5個も入手できれば充分だけど。
僕はまず〈スラッシュ〉を開いてみた。
アイコンと同じく斜線が1本入った丸いボタンが中央に表示される。
懐中電灯系のアプリである。
ボタンをタップしてライトを光らせた状態のスマホを、僕は袈裟に振り下ろしてみた。
すると、斬撃のエフェクトがズバッと現れた。
カッコいい。
いろいろな角度から振り下ろしてみたけれど、斬撃のエフェクトが現れるのはスマホを袈裟に振り下ろした時だけのようだ。
次に〈バックスラッシュ〉を開いてみる。
アイコンとボタンが違うだけで、ほとんど〈スラッシュ〉と同じアプリのようだ。
今度はスマホを〈スラッシュ〉と反対の左袈裟に振り下ろしてみる。
斬撃のエフェクトがズバッと現れる。
これもカッコいい。
続いて〈ダブルスラッシュ〉。
クォータが7だからアンコモンのアプリだ。入手確率75%なら、まあ奪えるだろう。
スマホを袈裟に振り下ろしても反応はない。
連続で袈裟に2度振り下ろしてみたら、斬撃のエフェクトがズバズバッと現れた。
発動までに時間がかかるけれど、威力は〈スラッシュ〉の2倍あるとみた。
でも、僕の好みは今のところ〈バックスラッシュ〉かな。
お次は〈ブレーク〉。
これは安峰さんも持っているから、どんなアプリかは知っている。
スマホを垂直に振り下ろせば、斬撃のエフェクトがズバッと現れる。
相手を停止状態にする追加効果があるとか。
休止状態とはまた違うんだろうか。
これにもセーブ機能があるのかどうかは、別途検証してみないとわからない。
最後に〈スリープ〉を開いてみる。
〈スタット〉と一緒でカメラが起動する。
でも、眠らせる相手がいない――。
自撮りでもしちゃう?
そんなのだめに決まっている。
時間を巻き戻せなくなる。
どう考えても、もう1度、時間を巻き戻すべきだ。
でも、どうすればいいんだ?
斜木は真っ先に安峰さんを殺しにくる。
残るは左手前に安峰さんを引っ張る案だ。
安峰さんは安全になるだろうけど、代わりに僕が切られるだけなんじゃ――。
安峰さんを左手で引っ張りながら、右手で〈タイムボム〉を開く。
そして、タイマーを1秒に変更して斜木に爆弾を投げる。
ここまでできれば勝機はある。
でも、あの短い時間にそんなことができるだろうか?
斜木のスマホが振り下ろされるまで、1秒くらいしかない。
実際にスマホの操作をしてみる。
やっぱり、1秒だとタイマーを変更して開始ボタンを押すまでが限界だ。
爆弾を投げるところまでは無理そうだ。
向こうはもう振りかぶっているのに、準備が必要な僕の方が早いわけがない。
でも、それでいい。
別に爆弾を投げる必要はない。
開始ボタンさえ押せれば、1秒後には自爆できるのだから。
あとは最初の1撃を躱せるかどうか。
さすがに無傷で躱すの不可能だろうけど、致命傷さえ受けなければいい。
電池が50%くらい残ってくれれば、自爆しても生き残れるだろう。
やってみるしかない。
安峰さんを助けるにはそれしか方法がない気がする。
僕はホーム画面から〈ロールバック〉を開く。
今度こそ、安峰さんを守るんだ。
実行ボタンを押した僕は眠りに落ちる――。




