捌話
翌日、俺は指定された時間、場所に行った。森林公園は住宅街のほぼ中心に位置しており面積も広い。子供が遊ぶには十分すぎるぐらいだ。俺は、一角にあるベンチに腰掛け腕時計を確認した。
「10時、予定どうりっちゃどうりか」
「お待ちしてました、名城弥ツカサさん」
俺が向いている方向とは逆の方から声が聞こえた。ついさっきまで誰もいなかったはずなのにそこに今人がいる。その声は、女の声でどこかで聞いたことのあるような声だった。そして、その人は俺の正面に回ってきた。見た目的には俺より少し大人っぽいような人だった。そして、その人は自己紹介を始めた。
「わたくし、姫川佐奈と申します あなた様に助けられ、以後ご支援できるように尽力して参りました」
(一向に話についていけない、助けられた?支援?どうゆうことだ?)
「1つ聞いていいかな」
「はい」
「何処で、会ったか覚えてる? 声は聴いたことあるけど思い出せなくて」
「ええ、もちろん覚えています あれは、7年前のことです」
そうして、佐奈はベンチに座り俺との出会いについての昔話が始まった。
7年前、まだ俺が八歳の時最初に出会った。彼女は家を追い出され途方に暮れていた、そして、雨の中山道を歩いていたところそこから落ちた。しかし、災難は続き目の前にたまたまヒグマがおり襲われそうになっていたという。そこを、修行のために森に入っていた俺が助け俺ん家に連れて行った。道場のみんなは温かく受け入れてくれた。その後、佐奈は同じような思いなどをした人をどんどん連れてきた。そんなことをしても親父(師範)は受け入れ、専用の家まで建てることをしていた。それからかくかくしかじかで今に至るという。
なんとも、夢物語のようだが実際そうでなければ彼女はここには居ない。
「何となく思い出せたけど、俺はなんで呼ばれたの?」
「ある、組織を追っていることをお伝えに来ました」
「組織?」
「一人の女の子を助けたときに、裏で大陸全体を支配しようとする組織の存在があると知りました。その女の子は何かの実験体にされていたようで……」
「それが、ここに呼び寄せる理由と居る関係は?」
「わたくし達は独自に反組織を結成し、それに対抗しようと考え今日まで活動して参りました そして、あなた様にはその組織の頭を担ってほしいのです お願いいたします」
そういい、佐奈は立ち上がって頭を下げた。俺は、さすがにここまで話をしてもらった上に頭まで下げられているとなると断る理由が見つからない。しかし、即決というわけにもいかず一言返した。
「一週間ほど、考える時間をくれないか 今、決めようにもはっきりとした決断にはならないだろうし」
「分かりました、それならば、一週間後今日と同じ時間と場所においでになってください」
「ありがとう それともう1つ、組織を結成したって言ってたけど規模とかどのぐらいなの?」
「正確な情報は、今はお伝え出来ませんが、全国土にそれぞれ拠点を配備しております」
「え、全国土って……あ、ありがとう……」
「それではまた一週間後」
佐奈は、ベンチの向きとは反対方向に歩きだし俺が振り向いた時にはもうその姿はなかった。
(裏で暗躍する組織にそれの反組織、意味が分からん……一体全体どうなってるんだ)




