シェネッツアの最後
シェネッツア最後の足掻きですが・・・
とんでもない遺物の出現です。
転章1 世界探訪記 エルランディア再訪③
勇者でありながら世界に戦いを挑む八神直哉です。
遺物は高度8000Mに滞空していた。
あのスピードだから恐らくシェネッツアは気絶している。
飛空艇クレイモアで僕たちをモニターしていたメジーナ博士に依ると、僕たちはおよそ100M程地下に潜り、ガランガラン山脈を抜けて反対側に出たらしい。
何もない山裾に巨大な穴が開いていた。
あれが格納庫のようだった。
メジーナ博士がクレイモアに命じて1㎞程のところまで近づき、精査していた。
「あれはとんでもない遺物だね。1万年近く昔のもののようだよ。
良く起動したものだ。」
メジーナ博士も呆れる。
「取りあえず鑑定してみよう。」と僕が言う。
超越賢者起動。
*
ガランティス帝国製 対大天使兵器
呀龍ⅩⅩⅡ試作機
第Ⅳ期聖魔大戦の末期にガランティス帝国兵器開発部最終兵器科にて試作された一体。
戦艦形態、飛龍形態、防御形態/保管形態に変形する。
エネルギー源は太陽光励起魔素で、内部に5つ励起魔素保管器を保有する。
起動には魔石か魔力を用いる。
兵員は士官を含め231名、内予備兵は60名。
防衛に対魔法フィールド、対物理硬化、超耐熱性、超時空防衛性を持つ。
兵器は魔法熱線砲、魔法バレット砲、魔法光砲、対フィールド砲、地対マシンガンを擁する。
最大の特徴は霊素消滅砲を15門擁することであろう。1門で1体の天使を、集積する事で大天使を滅する事が出来る。
また、次元砲を備え、次元潜行を可能とした。ただし、次元砲と次元潜行は実験段階のみ成功していて実践は未行である。
*
僕の説明を聞いていたメジーナ博士が興奮する。
「太陽光励起魔素、聖魔大戦だって?!
神話の世界じゃあないか!事実だったのか!!」
僕には何がそんなにメジーナ博士を興奮させているのか分からなかった。
しかし、あれがとんでも兵器だって事は僕にも良く理解出来た。
だから、シェネッツアが気付いて動かす前に何とかしないと世界征服されてしまう。
「メジーナ博士、あのフィールドは何とかならないの?
あれさえ突破できれば中に入れそうなんだが、どうです?」
焦った様子もなく、他のことに気を取られているメジーナ博士に僕は詰め寄った。
他のみんなは為すすべもないと僕とメジーナ博士のやり取りを見守っているようだ。
「あとで必ず太陽光励起魔素や聖魔大戦の事を鑑定してくれたまえよ。」不満そうなメジーナ博士が言う。
「それで、わたしが落ち着いている理由だが、第一にあの兵器が起動からあのような行動を起こした訳を考えれば分かる筈だ。」
分かるだろうと言いたげに鼻を鳴らす。
少し考えて言ってみる。
「あれだけの兵器だからプロテクトが掛かっていた筈。
何らかの方法でシェネッツアがアクセス出来たとしても古すぎる兵器だから敵認定された可能性が高い。
枯渇していたところに魔石のエネルギーが与えられたから敵に奪われる脅威から退避行動で高高度に移動した。
シェネッツアは魔石のエネルギーが無くなったので魔力を奪われて動けない?」
パチパチと手を叩き
「概ね合っているよ。合格点だな。
もうじき、あのフィールドも切れるだろう。そうしたら自然落下しておじゃんだな。
その前にナオヤ君が転移してあのガオルンだったか?と話をすれば良い。」
メジーナ博士の話に聞いていたみんながなるほどと頷いている。
「でも、僕は古代語なんて分かりませんよ。」
「大丈夫だ、君は勇者だろ?翻訳くらい出来るって!」
メジーナ博士の自信はどこから来るのだろう、不思議だ。
実際のところ、メジーナ博士の言ったとおりになった。対魔法フィールドが消えて転送が出来る様になったので、僕とミューレイが行くことになった。
ミューレイはメジーナ博士からあるものを渡された。
それは口にくわえて呼吸を補助するもののだった。
もし、空気が無かったら使うようにとの言いつけだった。
僕にはプロテクトの魔法があるから不要らしい。
転送された先はどうやらコクピットらしかった。結構広い空間の先に操船の機器が密集していた。
そして、そこにはシェネッツアが倒れていた。
空気はあった。そして、異国語の質問があった。
暫くして、言葉の抑揚が分かった。間もなく言葉の断片が理解出来た。
そして、言葉が話せた。
*異言語理解のスキルを得ました。*
呀龍ⅩⅩⅡ試作機、通称ガオルンはコンタクタを求めていた。
試作機であってもその価値を認めて、理解して、使ってくれるコンタクタを必要としていた。
先にやって来た者は起動の力をくれたが分かってくれず、使ってもくれないまま倒れてしまい、無用になった。
だから、勇者ナオヤを主人と認め、従うことになった。
ガオルンのコクピットでシェネッツアを見つけたミューレイは油断無く近付いた。
シェネッツアは話は出来るもの、魔力枯渇の倦怠で身動きが出来なかった。
「お前はあたしの家族を奪った。お前はあたしの生きる場所を奪った。お前はあたしの国を滅ぼした。
だから、今報いを受けな!!」
ミューレイの短刀はシェネッツアの背中から胸へ抜け、血を流させた。
言い訳をさせない、抗弁をさせない、ごまかしをさせない、それが、口を利かせない最良の方法だった。
シェネッツアの死体はガオルンが始末した。
エルランディア帝国ではシェネッツアはメリカ国に行き、敗走して行方不明になった事になったらしい。
全てはシェネッツアに責任が被せられた。
暁炎の事もゾルダの事も無かった事にされたらしい。
僕の国の事じゃないからどうでも良いと良えば良いんだけどね。
ミューレイは戦う事なく仇を取れたし、メジーナ博士はガオルンと言う新しい玩具を得たし、僕もガオルンと言う戦力を得た。
良いこと尽め?のエルランディア再訪?
メジーナ博士が前から研究していた“魔宝玉“が完成した。魔石と言うものがあるのだから人工的な宝玉に魔力を溜められないかと言う思いつきで始めたそうだ。
魔素凝積機が溜めすぎた魔素を魔素保管器と言う大きなものでなく、小さく持ち運べるタイプで利用したいと考えて造った魔宝玉だったが、ガオルンに持ち込み、魔素凝積機と魔素保管器を設置する前に使うことにしたらしい。
意外と便利と沢山並べているらしい。
それから、太陽光励起魔素も詳細を訊いて暫くしたら再生出来たらしい。説明を訊くと「トランジスタだよ、トランジスタ。」と簡単な答えだった。
自然の魔素は太陽光に含まれる太陽光励起魔素が基底状態にあるものらしく、太陽光からコヒーレントな波長を取り出し加える事で太陽光励起魔素に変わり、魔法も強力になるようだった。これで飛空艇クレイモアもババロンも強化出来ると喜んでいる。
人が太陽光励起魔素で魔力を使うのは難しいらしい。原理を理解しているがメジーナ博士は光魔法が使えないから駄目だとのこと。
「もしかしたらナオヤ君なら可能かも知れないから是非実験するよう」にと申し付けられている。
なんとなく出来そうな予感はしている。
それからヴェルダの強化もお願いしてある。構想は話してあるので後はメジーナ博士次第だ。
きっと面白いものを作ってくれるに違いない。
僕の心は既に覇王対策で占めている。
多分、ゾルダは復活を果たすだろうし、ドラゴニュート綺麗ともどこかで対決しなくてはならない筈だ。
エルランディア帝国編は一応完結ですね。
やり残し・・死魂の玉の事忘れてた!!
カクシカクの国のフジは無事でしょうか?
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何時も読んで頂いてありがとうございます。
ナオヤ以外の人物もそれなりに活躍しています。
ブクマ・評価は近況報告でお願いします。
これからも応援宜しくお願いします。
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