採掘洞窟
いかにも怪しい採掘洞窟にたどり着きました。
シェネッツアはここで何をしようとしているのでしょうか?
転章1 世界探訪記 エルランディア再訪②
勇者でありながら世界に戦いを挑む八神直哉です。
結局、浮遊戦艦ガンドロフは更に2日程掛けてガランガラン山脈の中麓に着陸した。
そこは鬱蒼とした森の中の岩場で、どうやら秘密の鉱山の入り口らしかった。
移動の2日間はセラを含めて皆で連携を訓練した。メジーナ博士が様々なシチュエーションでの戦いを考えてくれたのでそれなりにまとまりが出来た。
何よりもセラが仲間として受け入れられた感が強まったように思う。
ミューレイとほぼ同じくらいの背丈なのでミューレイとも直ぐに打ち解けてくれたし、葵がセラの動きに合わせてフォローして頑張っている。
3人はメジーナ博士を仲間にお風呂も一緒に入るほどの親密さで女子会の乗りで盛り上がっている。
どうやら魔法使い達は船に残したまま、シェネッツアは単独で洞窟に入ったようだった。
メジーナ博士を飛空艇クレイモアに残し、僕達はシェネッツアの後を追った。
先頭はミューレイ、次は葵、中にセラで後衛に僕と言う並びだ。
ミューレイの索敵で用心しながらシェネッツアの後を追う。
森の中の洞窟のせいか、魔物がそこそこ入り込んでいるようだ。
シェネッツアも襲われている筈だか、どうも魔物除けの魔道具を使っているのか魔物を倒した形跡が無い。
さほど強い魔物がいないのでミューレイや葵には丁度良い練習になっている。
ほとんどが中型の動物が魔物化したものだったが、更に奥へ行けば違う魔物も出てくるだろう。
集団化していない、2~3匹程度で葵とミューレイで倒せてしまう。倒した魔物は僕が収納して、後でクレイモアで解体する予定だ。
念のために魔素ボールを魔物に送り込んで置くが、使うほどの危険はなかった。
登ったり下ったり曲がったりしたが一度たりとも行き止まりに当たらず、ミューレイの追跡は正確にシェネッツアを追えているようだった。僕のレーダーで探索してもまだ追いつけては居なかった。
1時間ほど進んだ所でそこそこ広めの空洞に出た。
天井の高さは20M程で3カ所の洞窟があった。
そして空洞の中央には人工物と思しきオブジェが置いてあった。
ミューレイがそのオブジェを調べる。誰かが動かした痕が有るというのだ。
続いている3っつの洞窟にも行ったり来たり、しながらミューレイが調べている間に少し休憩を取る。
暖かいミルクとクッキーを出してセラと葵に渡す。
2人が座っている間に僕は魔物が出てこないか警戒を続けて、立っていた。
やがて、ミューレイが戻ってきた。
ミューレイにもミルクとクッキーを渡す。
ミューレイは食べながら分かったことを教えてくれた。
「どうも、シェネッツアがあのオブジェを触ったような形跡があるの。
開いているあの3っつの洞窟は迷路のような組み合わせをしていて、あのオブジェを動かすことで出口と繋がるようになっているみたいだわ。
闇雲に入ると迷路に行って仕舞うようよ。
さっき組み合わせを確認して出口と繋げたがらシェネッツアを追える筈だわ。」
「ここはシェネッツアが造ったんだろうか?ミューレイばどう思う?」僕は薄ぼんやり光る苔を見て訊いた。
「どうかしらね。かなり古そうなな仕掛けだから違うかも知れないわね。」
皆が使ったコップをクリーンの魔法で綺麗にしてからインベントリーに収納する。
ミューレイに先を行かせて再び追跡を開始した。
ミューレイの言うとおり洞窟は自然なものでなく明らかに誰かが加工したような人工的な匂いがした。
更に1時間程進んだ所で螺旋階段に出た。
明らかに人工物だった。
壁には何やら紋様なものが刻まれていて、何らかの意味を持たせているようだった。
「不思議なところ」と言うセラの言葉通り、光苔とは違う光源が働いており明るくて、降りて行くには不自由しなかった。
30分程度下って、入り口から大分深くまでやって来た。螺旋階段の下は少し大きめの穴だった。
天然の洞窟でなく、明らかに何者かが造ったものだ。
そしてまたもや、洞窟が5つ口を開けていた。
魔物は出てこないがほとんど物音もせず、僕たちが動く音しかしない。
ミューレイの見立てでひとつの洞窟の中に入る。
少し大きめで高さは2Mはありそうな四角に掘られている。
少し下り坂になっているだけでほとんど真っ直ぐな穴だった。
30分程歩いたところで厳めしい扉の前に出た。
螺旋階段のところにあった不思議な紋様と文字らしきものが刻み込まれていた。
此処まで来るとこの洞窟がただの浮遊石の採掘跡ではないことがはっきりしている。
「この扉を開けないと進めないわ」
ミューレイは色々と探ってくれたが開け方が不明だった。
「シェネッツアはここを通ったんだろうか?」と言うとミューレイが
「確かね。跡が残ってる。こことこことここに触れた跡があるわ。」
ミューレイが示したところには丸いダイヤルのような刻みがあった。
「位置を合わせるのではないでしょうか?」とセラが言う。
葵を見ると顎に手をやり頭をひねっている。
再びミューレイに向くと
「やってみる」と答えた。
ミューレイは耳を扉に当ててカチカチと回しながら合わせようと試行錯誤を繰り返した。
最後のひとつを合わせると音を立てて扉が左右に開いた。
そこは大きな空洞だった。
巨大な倉庫、いや格納庫と言った方が適切だった。
その一角にライトの魔法で明るくなった場所があった。
そこでシェネッツアが何かをしていた。
「見つけたぞ、シェネッツア!!」
ミューレイが叫ぶ。
振り返ったシェネッツアの顔は痩せこけまるで幽鬼のようだった。
「くっ! もう嗅ぎつけたか!
だが遅い、こいつでお前らを倒してやる。」
シェネッツアが何かしていたのは巨大な遺物だった。
それは膝を抱え込んだ像に見えた。
大きさはヴェルタクスを越えていた。
ヴェルタクスの高さは42M、総重量は63tにもなる。
素材は神鋼とアダマンタイトの高複合鋼であり、3重構造となっていて、魔素伝達には金メッキされたミスリル銀線が使用されている。
内部は小型化された魔素凝積機、魔素保管器、魔素反応炉を持っている。
構成はほぼ飛空艇クレイモアと同じである。
言わば個人用飛空艇なのだ。
座り込んでいてそれを越えていた。立ち上がればゆうに100Mは越えるだろう。
乗り込もうとするシェネッツアを阻止するために魔素ボールを飛ばしたが、その遺物に弾かれてしまった。
既にフィールドの様なものが張り巡らされていたようだった。
その間にもミューレイが駆け寄っていた。縮地と天走で近付いたようだった。
だが、後数メートルのところで目に見えない壁に阻まれて昏倒してしまった。
そして、その遺物が立ち上がった。
ガガガァーリューン!
天井が開き、空が見えた。
知らない空だ。
浮き上がり、一瞬にして消えた。
吹き上がる風に煽られ、転びそうになる。埃が舞い散る。
プロテクトで全員を守ってなんとかやり過ごしたが、ミューレイだけ煽りを食らってこちらに転がってきた。
埃が静まるのを待ってミューレイを抱き起こす。
幸いにも瘤だけで済んだようだ。
セラのヒールで直し、見上げてメジーナ博士に連絡を取って、転送して貰って飛空艇クレイモアに戻ってきた。
遥か過去の遺物にどうナオヤは対処するのでしょう。
対抗する手段はあるのでしょうか?
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何時も読んで頂いてありがとうございます。
新たな脅威を考えると遺物って便利ですよね~。
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