神システム
宇宙の秘密が語られます。
承章5 エルフの里の攻防⑦
エルフの里でセラの女神転生に救われた異世界転生者にして勇者の八神直哉です。
セラに救われるなんて勇者失格だな。
はぁ~
ダメダメだあ~
まあ、それは置いといて。
ぐったりしたセラごと世界樹の中に精霊カエデさまに転移させて貰い、メジーナ博士にセラの様子を診て貰う。
どうやら命に別状は無いらしい。ただし、賢者鑑定に依るとHPもMPも0らしく、全てのステータスがイニシャライズされていると言う。
このまま起きないと栄養失調になってしまうので、ババロンに戻ったら研究所の施設で養生させようとメジーナ博士も言ってくれた。
任せても多分大丈夫だろう、多分。多少不安だが。
あと、疲れた。
勇者スキルで補完されていても朝からの連戦で精神的にくたくた、お腹ペコペコだった。
少し不謹慎だったが、世界樹の精霊カエデさまとの打ち合わせを休ませて貰って、エルフの里のブッフェで食事をさせて貰う。
女神ガライヤさまとの話もあるので、飛空挺クレイモアで休ませて貰った。ぐぅ。
白い霧の世界で女神ガライヤさまと会談である。
「訊きたい事は沢山ありますが、まずはセラの事です。セラは大丈夫でしょうか?」
命について言うなら大丈夫です。セラがあの状態になったのは私と言うデータがセラの全てを使っても乗せきらず、オーバーフローしてしまったから、全てがイニシャライズの状態になってしまいました。
記憶の部分はイニシャライズされていませんので目を覚ましてもセラで居られる筈です。
ただし、目を覚ます時期については明言出来ません。
目を覚ませばステータスやスキルも次第に戻るでしょう。
「分かりました。では彼=天空寺と操っていた神の事を教えて下さい。」
彼女ネスティアさまは元地球の神でした。2億5000万年前から6550万年前の時代に生息していた恐竜を見守っていた神でした。
恐竜は様々な適応をして様々な種類になりましたが、おおよそ6560万前に知能を持って支配種となりました。この進化を促進したのがネスティアさまです。
およそ、10万年を掛けて恐竜はレプティリアンとなりました。この世界ではリザードマンが近いでしょうか?
最終的には宇宙に進出したのですが、突出して進出しようとしたのが異次元でした。パラレルワールドの研究や高次元の研究を行い、ネスティアさまとの交流も活発でした。
それが悪い方向へと向かったのですね。レプテディアンの悪の思想に侵されたネスティアさまは歪んで創造主の座を狙うようになってしまったのです。
創造主さまの力でネスティアさまは追放、レプティリアンは滅ぼされました。そして地球神アースに代わりました。
噂によれば辺境宇宙に箱庭世界を作り上げ、大人しくしていた筈なのですがいつの間にか所在不明になってしまいました。
そして、気づけば私の世界を破壊しようとしていました。かつてはとてもネスティアさまとは仲が良かったんですよ。なのにこのようなことになってしまってとても残念です。
「彼=天空寺はどうなったのでしょう。」
彼=天空寺はこの世界の歴史特異点に放逐しました。
歴史特異点とは破滅の未来しかない歴史の終焉点のことです。
予測が正しければ再び戻って来る可能性があります。
彼=天空寺を囮にしてネスティアさまの本体をおびき出します。今は彼の持つ唯我独尊の中にいた一部しか封印出来ていません。
「気になっていたのですがババロンは女神ガライヤさまが集団転移で地球人を召喚して作ったんですよね。何のために作ったんですか?」
それは勇者の助力者として用意しました。
他には覇王から人々を救う為の船として用意しました。
メジーナ・ババロン博士は『ノアプロジェクト』と呼んでいましたね。
最大10万人規模を救う予定と聞きました。
「なるほど、だからあんなに大きいのか。」
宿泊施設は直径5㎞もある広さのある土地で住宅を建てたらそれなりに人は住めるだろう。
地下施設には水耕のグリーン牧場もあるし、放牧の可能性もあると言える。
今は遺跡となってしまっているから再起動は大変そうである。
「それから、謎の魔素消失現象の事を教えて下さい。」
先ほどババロンの空中都市は覇王から人々を救うための施設と言いました。只、地表から離れただけでは覇王から人々を守れません。
ババロンの空中都市は最終的にはこのガライヤから離れて異次元に逃げ込む事を想定していました。
詳しいことはメジーナ博士に任せますが、各ユニットの魔素反応炉の共振が異次元転換を起こして、ババロンの空中都市を異次元に移動させるのだと聞いています。
その魔素反応炉の共振実験が失敗して魔素消失現象が起きたと聞いています。
「謎ではなくて、秘密の魔素消失現象だったわけだな。それなら話せない訳だ。
でも、世界樹の精霊カエデさまがメジーナ博士をそれとなく非難した時記憶に無いと言っていたから案外、知らないのかも知れないな。
原理はメジーナ博士に話せば分かるかも知れないから訊くとしよう。」
他に有りますか?
「ああ、転生者若しくは転移者についてだ。地球でも有るのか?それに何故受け入れる?」
地球の事は地球神アースに聞いて欲しいと言いたい所だが、その通りです。私のところから地球への転生も、転移も有りません。無いと言うより出来ません。
詳しくは神システムに抵触するので話せませんがナオヤはマルチバース宇宙理論を知っているでしょう?
「ああ、確か宇宙では真空から常に新しい宇宙が生まれ続けている。
ほとんどは可能性の中に消えて行くが、ほんのわずかに消えない宇宙は新しい宇宙になるとか言う理論だったかな。ブラックホールの出口のホワイトホールの出口が新しい宇宙にあるから宇宙にホワイトホールが無いのだと言う説明だった気がする。」
そういう事です。
「だから、旧地球神ネスティアがガライヤの世界に現れたのか?」
他の宇宙へ行って欲しかったですけどね。
「だとすると旧地球神ネスティアの狙いはガライヤに取って代わることか・・・」
残念ですがその通りでしょうね。私の世界にはまだ新しい宇宙への道は開けて居ませんから、どこかに隠れているのでしょう。
歴史転換点の分岐のどこかに隠れている可能性が高いと考えています。
「ん?待てよ。彼=天空寺を覇王にしようとしているのは世界を支配する為じゃなく、ガライヤを倒すためか。」
覇王システムは神システムの一部で神同士が戦う為のものでは無いのですが、今回旧地球神ネスティアに悪用されていると言うところです。
「勇者システムも神システムの一部で覇王システムを補正する為のものか?」
そこまで推測するとはナオヤは凄いですね。
「後は何故彼=天空寺なのかだけど?」
こればかりは旧地球神ネスティアさまに訊かないと分かりません。
「そうか、いろいろ訊いて済まなかった。」
いえ、ナオヤにはまだ力になって貰わないといけませんから話せることは話して置かないとならないでしょう。
・・・・・そして白い霧の世界は終わった。
まだまだ、ナオヤの苦闘は続くのでしょうか?
お気楽な転生のハズじゃあ無かったっけ?




