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竜王に育てられた俺・・・今、異世界の王女の召喚獣やってます!  作者: えみお
第2章:マグリア来襲!

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アリスの決意

「・・・入れ」


「失礼します」


 王たる父の執務室にて・・・。


 謁見の間で行われた会合の後、ただ1人この部屋にやって来た私・・・アリスには、何故父が長兄ルーデルでもなければ長女アレクシアでもなく、自身を呼び出したのかおおよそ分かっていた。


 先程の集まりに本来あるべき兄や姉の姿が見当たらなかった時点で、こうなるのではないかと思っていたのだ。


 軽く会釈した後・・・簡素な椅子に着席した私に対し、父は開口一番本題に入った。






「簡潔に言う。アリス・・・お前に対マグリアにおける戦闘の指揮を任せることとする」






「・・・・・・・・・それは、本来兄上が、仮にそれが無理なら姉上が行うはずのものでは?」


 自らの予想が悪い方向に当たってしまったと思いつつ、私は一応反論を試みる。


(「まあ、これも十分推測が出来るというものだが・・・」)


「・・・ルーデルは体調が芳しくない。またアレクシアは行方不明だ」


「・・・そうですか」


(「我が兄姉ながら、なんたる恥知らずだ!」)


 まるで幼い子供が勉学をサボるような言い訳で、自国の一大事に見て見ぬ振りを決め込もうとする実の兄や姉に、私は激しい憤りを覚えた。


 おそらく兄ルーデルの体調不良とやらは詭弁。昨日の決闘での敗戦から部屋に引きこもっているだけに違いない。


 居丈高な態度でもって向こうから勝負を仕掛けてきたにも係わらず、負けたら露骨に拗ねる・・・そして、挙げ句の果てには父との謁見に顔すら見せないとは、我が兄ながらいよいよもって救いようが無い。


 そして姉のアレクシアはといえば、どうせ何処かの貴族の邸宅にでも雲隠れしているのだろう。


 その類い希なる美貌と自らの地位を存分に使い、数々の男と浮名を流す姉には王女として最低限の品格すら無かった。


 しかも彼女が召喚の儀で手にした第5階級の召喚獣・・・『大鷹(おおたか)』は上空からの索敵に非常に優れている。


 自身が隠れた場所の周辺を常時見回らせておけば、追っ手を難なく撒くことが出来るだろう。


 ・・・奇しくも『願い』を叶えるには打って付けの召喚獣を手に入れた姉上を探すために、貴重な人員を割くのは無駄でしかない。


 となれば・・・その2人のツケは当然、私に回ってくるわけである。


「父上・・・お話は分かりました。して、マグリアがいつ頃やって来るか検討はついているのですか?」


 べつに納得している訳ではない。


 だがこの決定が翻ることは無いと分かっている私は湧き上がる不満を全部飲み込み・・・その上で話を続けるしかないのだ。


 しかし、直後に父の口から出た指示には流石に唖然とせざるをえなかった!






「それなんだがアリス、お前には明日・・・早朝に兵を引き連れ北方に向かってもらう」






「あ、明日!?」


 親とはいえ王に対する言葉遣いとしては敬意に欠けた発言ではあったかもしれない。


 だが、正直そんな些細な反省をしている余裕は今の私には無かった!


(「冗談じゃない!戦を何だと思っているんだ!?」)


 今から兵に伝令を出し戦に向かう準備を始めるとして、それをたった1日・・・いや正確には半日で行うなど不可能極まりない!


 武器、弾薬、食料・・・それらの必要数を計算するのにだって戦争経験がある国でも2~3日は掛かるのが普通だろう。


 ましてや、戦の経験が皆無のこの国で同じ事をしようとすれば、もっと日数が必要になるのは確実・・・とても一昼夜では終わらないのは自明の理だ。


 相手がワイバーンを駆り、高速での移動が可能な飛竜隊ゆえに、一刻も早く北方に陣を構築しておきたいという父の気持ちも分からなくは無い。


(「だが・・・いくら何でも無謀すぎる!」)


 いくら王の決定とはいえ、ここで反論しなければ多くの兵達が犬死にしかねない!


 そう思った私は口調を強め、必死になって頼み込んだ!


「父上!それは流石に不可能です!相手はマグリアが誇る飛竜隊、向かい撃つとなればそれ相応の準備が必要になります!また、兵だって戦の経験は皆無です!今から戦の件を伝えたところで心の準備が出来ないでしょう!何とかもう1度御一考を!」


 すると・・・父は口角を上げ、なんとも能天気にこう答えたのだった。






「大丈夫だろう。アリス・・・お前の召喚獣がいるじゃないか」






「なっ!?」


(「父上がやたら余裕綽々な態度でいると思ったら、そういうことかっ!」)


 私はここにきて、ようやく王の考えが分かった!






 父は・・・トール1人にこの戦をどうにかしてもらおうという腹づもりなのだ!






「父上!トールは召喚獣である前に1人の人間です!いくら彼でもマグリアの飛竜隊を相手に勝てるとは思えません!」


「何を言う、アリスよ?彼は『王』なのだぞ!飛竜隊ごとき物の数ではないわ!」


(「っ!また『王』か!」)


 召喚早々馬小屋の中に閉じ込め、食事に干し草を与えるなんて行いをしておきながら、利用価値があると知れば一転、使えるだけ使い倒そう・・・そういう腹づもりなのだろうか?


(「トールが本当に伝説場の『王』なる存在なのか・・・そんなこと、私には分からない」)


 だが、少なくとも彼という1人の人間が望んでいるのは、そんな意味不明な地位では無い。






 只々・・・元いた世界に還りたい。それだけだ。






(「そんな彼をこれ以上、この国のつまらないイザコザに巻き込んではならない!」)






 私は腹をくくった!


「王よ・・・分かりました。対マグリア指揮官の任、拝命いたします」


「おお!・・・よく言ったぞアリス!」


 私が折れたことに胸をなで下ろした父は口角を上げ、にこやかな笑みを返してきた。


 しかし・・・その直後の私の発言には、きっと度肝を抜いたはずだ。






「ただし・・・トールは連れて行きません」






 ここまで読んでいただきありがとうございます!

 これからも、鋭意作成し続けたいと思いますので、応援の程、宜しくお願いいたします!

 また、感想・レビュー・ブクマ・評価・コメントなどもらえると、作者は本当に喜びます!(ガチ!!!)

 ぜひ…清き一票を!!!

 

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