落ちこぼれ
学院に入って三ヶ月が経ったが未だに俺は王子と王女に会えていない。
噂は出回ってはいるのだが所詮は噂だ。
役に立つ噂が一つも流れてこないから護衛が出来ない。
それに、護衛たちも気にかけないといけない。
彼らに何かあったら国が動いてしまう。
その前に俺が片付けないといけない。
それにしても、最近は早起きしてばかりだから眠くて眠くてしょうがない。
三ヶ月も経ったら慣れると言っていたが全然慣れない。
むしろ、キツイくらいだ。
まあ、授業中に寝ているから睡眠不足には至ってはいないがな。
だが、そろそろ本格的に王女たちを見つけないとな。
王女たちは全員同じ学年だった筈なんだがな。
やはり、俺みたいな落ちこぼれ生徒にはまともな噂は流れてこないか.............。
ふわぁ〜。
もう、昼休みか...........。
今日も屋上でのんびり昼飯を食べて寝てくるか...........。
ふわぁ〜。
やっぱり、屋上は暖かいから気持ちが良い。
これなら、すぐに寝れそうだ。
それじゃあ、俺は寝るとしよう。
おやすみ............。
「いや!離して...........!誰か助けて!」
「は!ここには誰も来ねぇよ。なんせ、ここは俺たちの溜まり場だからな!」
「王女様には恨みはねぇがこっちはイラついてるんだせいぜい頑張って的当てになってくれよな!」
なるほど、これがいじめというやつか...........。
だが、王女だと知っていてあの扱いなのは違和感があるな。
アイツらはそれ程身分が高いのか?
言葉遣いなどからしてそうは見えないから身分じゃなく力の方か...........。
厄介な事になりそうだからあまり首は突っ込みたくないが.........。
一応、あの国王からの依頼任務だからな。
それに、褒美が休みなのは実に嬉しい報酬だからな。
その報酬に見合った働きをしなければならない。
なので、王女を助ける!
これ一択だな。
「氷術:氷華結晶!」
「っ!?か、身体がこ、凍って...........!?」
「ひやぁ!な、何が起こったの!?だ、誰かいるの!?」
さっさと、退散するか..........。
今、ここでバレる訳にはいかないからな。
俺は転移を発動していつもの昼寝する場所に移動した。
それじゃあ、今度こそおやすみ............。
♢♢♢
ん...........?
もう、夕方か............。
何か視線を感じるような...........?
「っ、お前っ!?み、見たのか.........?」
「すみませんでした。少し興味が出てしまいまして..........。」
今、俺の前髪を避けて俺の顔を見つめて来ている奴が護衛対象が2人目である第一王子だ。
「何故、俺の顔をそこまで見る?」
「いや、綺麗だなと思って..........。」
「お前みたいな顔が整っている奴に言われても普通は嬉しくないぞ?」
「じゃあ、君は嬉しいのかい?」
急に喋り方が変わったな。
そして、馴れ馴れしい。
コイツは面倒なタイプだな。
「全然.........。俺はこの顔嫌いだし...........。」
「君、何処かで見た事あるんだよね。」
っ、俺ってコイツと会った事あったけ?
いや、俺が知る限りない筈だ!
じゃあ、何で俺の顔を見た事あるんだ?
「あ、思い出した!君、序列1位のルキウス・レインバーグでしょ?あ〜、ようやく合点がいったよ。だから、あんな強そうな人たちを一瞬で凍らせられた訳だね!」
「..........見てたのか?」
「うん。この目でバッチリとね!」
「じゃあ、なんで妹を助けなかったんだ?」
「............。」
「やっぱり、良いや。興味ないし、面倒だし..........。」
「噂通りの怠惰っぷりだね。憤怒の権能を使って一国を滅ぼしたって本当なの?」
「.........だったら何?..........何故、俺が魔王の権能を持っていると知っているんだ?じゃあ、シウの事も..........!?」
「これも噂通りだね。組織の長であるシリウス・レインバーグの事となると顔に感情が浮かぶ。」
「.........君は何しに来たの?俺の事ずっと見てるけど.........?それと、前髪を離せ。顔が隠せないだろ。」
「そんなに美しい顔をしているのに勿体ないよ!顔は出していた方が何百倍程良いよ!」
「............帰る。」
そうして、俺は第一王子(変態)から逃げるように転移で自分の部屋に帰った。
次回も楽しみに!




