41 戦ってる感
第二区の東。港の倉庫にきていた。その頃にはすっかり朝になっていた。建物に隠れながらそこに近づく。美雨が小声で聞いた。
「こんな明るいのに密売を?」
「今まで捕まらなかった。過信しているのだろうな」
夜空がキリっとした表情になった。
「秩序を乱す者に制裁を……」
「あの。いきなりに飛び込まないでね、山井さん」
倉庫周辺には釣りをしている男や、ウロウロする男がいた。おそらく雇われたのだろう。夕凪が隠れながら接近し、素早く打撃で意識を奪うと紐で手際よく拘束した。
倉庫の出入り口を全て確認する。美雨はどう攻めるか作戦を聞こうと夕凪の方を見た。すると夕凪は魔銃を取り出す。
「ゆ、夕凪さん……っ?」
彼は美雨の声をスルーして、シャッターを四発ほど撃った。蹴りを入れて壊すと、正面から堂々と侵入する。心の準備ができていなかった美雨は慌てていた。
「な、なんだ!!」
「ハンターか!!」
二足歩行の狼が一斉に入口の三人を見た。夜空が言った。
「誰も逃がさねぇぜ」
「朝っぱらからカチコミとは!! しかもたった三人!! 調子に乗ったなァ人間!!」
取り巻きが懐の銃に手をかける。すると夕凪が敵の肩を撃抜き、それを見事に止めた。敵が叫ぶ。
「魔銃!?」
「バカ、所詮は銃。そろそろ弾切れだ!!」
「そいつらを生きて返すなァ!!」
それに美雨が反応する。
(近くに遮蔽物がない!! けど!!)
「山井さん。二人で後衛の援護を」
「分かってる」
そう言って夜空は少しだけ前に出る。するとなにもない所で、まるで舞うように刀を振り始めた。
「なにしてるの!!」
「これが長年の答えだ……」
そんなやり取りをしているうちに、短剣を持った人狼が次々襲い掛かってくる。
夕凪は弾切れのマガジンを取り外し、地面に落とす。しかし、それは地面に落ちる前に小さな黒い円の中へと消えていった。円の大きさはマガジンが入る程度だ。
すると今度は手元に黒い円が現れ、そこからマガジンを素早く取り、弾を補充する。0.5秒もかからずに装填すると彼は魔銃を使い、接近してくる敵を次々と撃破していく。
「す、すごい……」
夕凪の目にも止まらぬ早打ち。夜空はあるとき思った。夕凪と組むと敵に接触する前に全てが終わる。でもなんかやった感を出したい、と。だから夜空はその場で素振りをすることにした。
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