36 後日1~禁断の復元方法~
【喫茶店:ノックス】
ノックスは昼間は喫茶店、夜になるとバーになる。喫茶店の方は複数の獣人の従業員で構成させている。
同窓会の翌日。カウンター席でぐったりとしている夜空の姿があった。周囲の人がそれを見て笑っている。美雨がその姿を見て話しかけた。
「美人になった同級生に壺でも買わされたの?」
それを聞いた夜空は刀をカチャリと抜いた。
「わっ!! じょ、冗談だって!! ごめん!!」
「妖刀が……」
「妖刀?」
良く見ると刀がボロボロになっていた。
「これを売ってた商人に聞いたけど直せないらしい……お終いだ……俺の愛刀が……」
(そりゃ商人じゃ駄目だろうね……丁度私も刀を見てもらおうと……)
「それ貸して。修理できる所に心当たりがあるから」
「俺ですらそんな場所知らないのに……できるはずねェだろ……」
横にいたリリンが呆れた顔をした。
「おいおい。あんまり甘やかすなよ。そんなのそいつのケツにでも突っ込んでりゃ直んだろ」
「それはちょっと……」
美雨は行きつけの武具屋に来ていた。夜空はショックにより動けないようなのでおいて来た。
「おや。いらっしゃい今宵ちゃん」
「これを……」
刀を見せると首を横に振る。
「無理だ。諦めなさい」
「無理ですか……? かなり大切な刀なんですけど」
「無理なモノは無理だ。ほらこれを取りにきたんだろ?」
「いつもありがとうございます」
店主は美雨の愛刀を渡してきた。彼女はがっかりした様子で店を出ようとした。ふと安物の刀が目についた。どう夜空に謝ろうか考えて扉に手をかけた時、彼女はふと立ち止まる。
そこで少し離れた所で座っている店主が囁くように声を出す。まるで耳元で圧をかけられているかのように体がが固まる。
「今宵ちゃん……くふふ。方法がない訳じゃなんだよね。刀を復活させる方法……知りたくないかな?」
「……ッ」
美雨は振り返る事ができない。それは駄目だと心のどこかでブレーキがかかる。
「大切なものなんだろ? それなりの代価は必要だと思うよ……男なんて女の変化にゃわりと気が付かないものさ」
「私一人が犠牲になれば……いいんですね……」
「……犠牲とは穏やかはないな……これでお互いが幸せになるんだよ……そして終わった後は、誰もなにも知らなかった……いいね?」
「わ、分かりました……店主さんのそれを受け入れます……」
「ふふ、優しい子だ」
美雨はその囁きに耳を傾けた。
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