表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/66

18 協力する二人

 魔銃にはジオメトリックや直線の模様が刻まれている。魔法陣を意味しているらしい。エファが構えて魔力を込めると銃の模様部分に光が宿っていく。


 弾も特別製であり、火薬と魔力により凄まじい威力の弾が発射される。そして、銃の性能や魔力に比例して威力が高まる。


 弾が犯人に当たる直前、彼等の周囲に半透明の障壁のようなものが発生した。しかし、そんなものは関係ないとばかりに貫く。障壁に穴が空き、ヒビが入る。犯人は倒れた。


 三人ほど倒すとそれに気が付いた敵は障害物に隠れた。エファが夜空に近寄る。銃を撃って牽制し、彼を後方車両に逃がす。


 あまりの衝撃的な出来事に美雨が深刻そうな表情で口を押えた。


「山井さん!!」


「大丈夫か相棒!!」


 夜空は死にそうな表情で言う。


「問題ない……だがあと1㎜、弾が右ずれていたら致命傷だった……」


「おい相棒!! なぜその実力で無茶をしたんだ!!」



「……そこに不条理があったからさ……ごふぁっ」



「あ、相棒ォォ!!」


 辛そうな表情が悲しみの表情に変わった。エファは歯を食いしばっていた。


「…………そうだッ。理不尽には誰かが立ち向かわなきゃならねェ。誰かがだ!! 損得じゃなく!! 自分の大切なモノを守るために!!」


 美雨が急いで応急手当をする。それを見た鉄道従事員がさらに後方車両に行って乗客相手に助けを求める。


「お客様の中に魔導医員(お医者様)はいらっしゃいませんか!!」



 そんな中、エファがなにかを決意した鋭い眼になり、静かに立ち上がる。彼からは闘志が溢れていた。そこで美雨が言う。


「……私が屋根から行きます」


 エファは盲点をつかれたような顔をした。


「そうか……それほどの広さがされば刀を活かせる……へっ。任せたぜェ。死ぬなよ」


「……はい!!」



 エファは圧倒的だった。前方車両から襲いくる敵を次々と銀の魔銃で撃ち抜く。


「くそ!! 強すぎる!! あんなやつが乗り合わせているとはぁ!!」


「とにかく撃て!! 相手は一人。弾数ならこっちに()があるッ」


 敵の数人がその圧倒的な男の背後に回り込むため、屋根に上る。電車は液体魔力を燃料するエンジンで動いているので架空電車線はないタイプである。


「チ……待ち伏せか」


「大人しく投降しなさい!!」


「誰がするかよ!!」


 ジャック犯たちは銃を撃った。腕や足に弾が掠る。しかし、それに怯まずに美雨は接近する。魔力の残量にもよるが、基本は急所を重点的に魔法障壁で守っている。


 美雨の服には付与の魔法が組み込まれている。それは敵のような半透明の障壁を目の前や自身を包むように出すタイプでない。それだと自身の攻撃も妨害してしまうからだ。彼女のは防弾チョッキに近いタイプである。


 美雨が刀を振ると彼等の銃がバラバラになった。


「くっ……気を付けろ。さっきのバカと違うぞ!!」


「怯むな行け!!」


「うおおお!!」


 銃を失ったジャック犯たちが殴りかかる。彼女はみねうちで全員を倒した。最前列の車両でエファと女性が対峙していた。おそらくリーダーであろう人物。



 女性には黒い羽が生えていた。頭には山羊のような角がある。亜人であった。


「その紋章……やはりテンマの」


 天馬の紋章が手の甲に刻印されている。


「……貴方、どこの組織? マージン? それともゴヤシンの刺客かしら?」


「はっ。そのどちらでもない」


「ん~変ね。それ以外に目の敵にされる覚えはないのだけど。ハンターやギルドがこんなに早く動くはずないし……」


「立ち位置は関係ないんだよ。ただ、お前等の横暴を止めにきただけだからなッ」


「ふふっ。正義の味方の方だったのね。今時珍しい。それじゃあ動かない方が良いわよ。この商人を殺されたくなかったら……分かるわね?」


 商人が震えながら必死に声を出す。


「た、助けてくれ!!」


「くっ……わ、分かった。その男には手を出すな」


 エファが銃を手前に投げた。


 同時に亜人の周囲に無数の風切羽が舞う。それは黒く美しい。戦闘中でなければ見惚れていただろう。そして、それがエファに容赦なく襲いかかる。


 彼は急所を腕で守った。さらに防壁を張ってダメージを軽減する。しかし、数が多すぎて防ぎきれない。体中に傷が増えていく。


「まだ分かってないようね!! 防壁も禁止っ、よッ!!」


 今までで最大の数の羽がエファに襲いかかろうとしていた。その時、窓を割った美雨が車内に侵入する。


「仲間がもう一人!!?」


 車内は狭い。刀ではなく素手で女性に攻撃をする。彼女は慌てて拳を避ける。そして、エファが銃を拾った。


「ッ……小娘がァ!!」


 敵はエファを意識しながらも、その原因を作った美雨に怒りをぶつける。


 エファにぶつけるつもりだった無数の羽が美雨に襲いかかる。一旦攻撃を止めて、近距離でそれを必死にかわす。避けきれずに頬や腕に羽がいくつも掠る。彼女は痛みを我慢して避け続ける。


「しぶといわね!! さっさと死になさい!!」




ご一読いただき、感謝いたします。投稿は21時になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ