17 突撃準備。そして
怯える乗客。静かになった車両。エファが銀色の魔銃を出し戦闘態勢に入る。夜空がクールに言う。
「俺は下……エファは上からってな感じでどうだ?」
「いいねェ。任せたぜ相棒!!」
そう言うと彼はかっこよく窓から外に出て素早く屋根に上った。美雨は思った。
(普通逆なんじゃ……)
「というか山井さん!! 本当に行くの!! その……だって山井さんは弱っ……じゃなかった。つまり、私が代わりにっ」
「止めるなよ。これは汚ねェ大人の仕事だ。まだ綺麗な奴には早いんだよ」
「……」
(なんか役に入りこんでる……)
エファは二つ前方の車両の屋根から窓を覗き込み、車内を確認する。
「ここには六人か……準備はできてる。後は相棒が注意を」
その時、夜空が車両に入って来た。ジャック犯が声を荒げる。
「あんだぁ? てめーは!!」
「悪党に名乗る名などない。どうしても呼びたくばこう呼ぶが良い……”闇に巣くう邪悪な魂を滅する者”。エクスキューショナー……」
彼はそう言い放った後に間髪入れずに刀を抜く。
「なっ……」
夜空も例外なく、それを見た者たちは驚いた。クロスシートの席に引っかかって三分の一しか抜けなかったからだ。
「うぐぅ……ぬぅ……抜けな」
「はっ!! 今だ!! 勝手に引っかかったぞ!!」
「撃て!! 撃てぇ!!」
「ぐあああああ!!」
夜空は割と多めの銃弾を浴びる。幸い致命傷にはいたらなかったようだ。車外でエファが口を大きく開けていた。
「俺の相棒YOWASUGIィ!!!!?」
彼も予想外だったらしく思わず叫んだ。夜空は席を障害物にするために横に倒れて逃げ込む。
「嘘だろ……ノ、ノックスの人だよな……?」
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