第15章 ➂
第15章③ 味噌
翌日。
兄は寝ていた。
妹は元気になった。
良かった。
私はコルジの実を見る。
もう一度見る。
主人公は思った。
味噌。
作れるのでは?
私は兄を見る。
大人しく横になっている。
「兄」
「なに」
少し元気になっていた。
良かった。
私は聞く。
「大豆ある?」
兄が止まった。
「今それ?」
私は頷く。
「今」
兄はしばらく黙る。
そして言った。
「ダイズってなに?」
「豆」
「豆ならヒヨコ豆は有る」
良かった。
数日後だった。
私はヒヨコ豆を買った。
コルジの実もある。
塩もある。
準備は完璧だった。
多分。
私は豆を煮る。
柔らかくなるまで煮る。
潰す。
潰す。
疲れた。
主人公は思った。
面倒だな。
私はコルジの実を潰した物を入れる。
塩も入れる。
混ぜる。
混ぜる。
また混ぜる。
良い感じだった。
こんなもんか?
私は瓶へ詰める。
ぎゅっ。
ぎゅっ。
詰める。
その後。
少し考えた。
分からない。
置き場所が分からない。
私は瓶を見る。
四つだった。
私は分ける。
四つとも少しずつ入れる。
兄が見ていた。
「何してるの?」
私は答える。
「実験」
兄が止まった。
「実験?」
私は頷く。
「分からない」
兄も頷いた。
どうやら納得したらしい。
私は瓶を運ぶ。
一つ目。
生活広場。
火がある。
暖かい。
出来そうだった。
二つ目。
中央広場。
真ん中だった。
出来そうだった。
三つ目。
ベランダ広場。
風が通る。
出来そうだった。
四つ目。
湿った部屋。
少し暖かい。
少し湿っている。
出来そうだった。
主人公は思った。
全部出来そうだった。
それからだった。
私は毎日見る。
営業へ行く。
帰る。
瓶を見る。
次の日もだった。
営業へ行く。
帰る。
瓶を見る。
兄が聞いた。
「まだ?」
私は答える。
「まだ」
妹も聞いた。
「まだ?」
私は答える。
「まだ」
犬も見ていた。
私は言う。
「お前は関係ない」
わん。
返事だった。
多分。
それから十日くらいだった。
私は瓶を集める。
味見だった。
一つ目。
生活広場。
微妙だった。
二つ目。
中央広場。
微妙だった。
三つ目。
ベランダ広場。
微妙だった。
四つ目。
湿った部屋。
私は止まる。
もう一度舐める。
主人公は思った。
味噌だ。
ちょっと白っぽいけど。
兄も舐める。
妹も舐める。
兄が聞いた。
「出来た?」
私は頷く。
「出来た」
兄は少し笑った。
「良かったな」
うんうん。
良かった。
私は瓶を見る。
少し考える。
そして持ち上げた。
兄が聞く。
「どこ行くの?」
私は答えた。
「ベランダ」
兄は止まる。
「何で?」
私は答えた。
「保存」
兄は頷いた。
どうやら納得したらしい。
私はベランダ広場へ向かう。
日陰だった。
風も通る。
冬だった。
良い場所だった。
私は瓶を並べる。
一つ。
二つ。
三つ。
主人公は思った。
安心。
その日の夜だった。
私はベランダ広場を見る。
味噌だった。
主人公は思った。
アラ汁。
作れるな。




