第14章 ⑧
第14章⑧ 草
翌日だった。
私は縄を見る。
昨日作った。
良い縄だった。
でも。
布団ではない。
私は縄を見る。
もう一度見る。
やっぱり縄だった。
困ったな。
その時だった。
外から声が聞こえた。
「みー!」
妹だった。
走ってくる。
犬もいる。
兄もいた。
妹は何か持っている。
私は見る。
草だった。
白かった。
妹は嬉しそうだった。
「みて!」
妹が振る。
ふわふわが飛んだ。
風に乗る。
白い綿みたいだった。
妹は笑う。
「いっぱい飛ぶ!」
どうやら楽しいらしい。
犬が追い掛ける。
兄は少し困った顔をしていた。
私は草を見る。
もう一度見る。
ふわふわを見る。
ん?これは……。
布団に使えないか?
「どこにあった?」
妹が指差す。
「あっち!」
私達は森へ向かった。
兄が先頭だった。
妹は楽しそうだった。
犬もいた。
しばらく歩く。
そして。
草原だった。
白かった。
かなり白かった。
私は一本取る。
ふわっ。
飛んだ。
私は止まる。
もう一本取る。
ふわっ。
また飛んだ。
主人公は思った。
難しい。
私は集める。
飛ぶ。
集める。
飛ぶ。
かなり飛ぶ。
妹は楽しそうだった。
犬も楽しそうだった。
私だけ楽しくなかった。
その後。
袋を見る。
少なかった。
思ったより少なかった。
はぁ。
本当に少なかった。
私は空を見る。
布団は遠いな……。
仕方ない。
私は町へ向かった。
おばちゃんの店だった。
おばちゃんは私を見る。
「どうしたんだい?」
私は草を見せる。
おばちゃんが見る。
そして笑った。
「ああ」
どうやら知っているらしい。
私は聞いた。
「飛ぶ」
おばちゃんは頷く。
「飛ぶねぇ」
「集まらない」
「集まらないねぇ」
話が通じた。
良かった。
私は聞く。
「どうするの?」
おばちゃんは答えた。
「開く前に取るんだよ」
私は止まる。
「開く前?」
「そうさ」
おばちゃんは草を持つ。
「これはもう遅い」
どうやら失敗だったらしい。
私は少し残念だった。
おばちゃんが聞いた。
「何に使うんだい?」
私は答える。
「布団」
おばちゃんも止まった。
何故だろう。
「布団?」
私は頷く。
「布団」
おばちゃんは笑った。
「藁は?」
私は首を振る。
「高い」
おばちゃんは納得した顔をした。
そして言う。
「端切れは?」
私は頷く。
ある。
大量にある。
「混ぜな」
私は少し考える。
そして頷いた。
なるほど。
私は店を出る。
帰り道だった。
主人公は思った。
まだ足りない。
でも。
やり方は分かった。
布団に少し近付いた気がした。




