第2章 異世界の朝と食中毒会議①
第2章 異世界の朝と食中毒会議①
朝ごはんは終わった。
うどんだった物も終わった。
私は鍋を見る。
鍋も静かだった。
しばらくして。
私は荷物へ視線を向ける。
「さて」
まだ確認していない物があった。
私は買い物カゴを引き寄せる。
ごそごそ。
そして。
固まった。
「あ」
お弁当だった。
昨日買ったやつである。
私はしばらく見つめる。
お弁当を見る。
焚き火を見る。
「……これ大丈夫か?」
異世界二日目だった。
だが。
問題は異世界ではない。
食中毒だった。
私は真顔になる。
魔物は怖い。
でも。
お腹を壊すのも嫌だった。
私はしばらく考え込む。
そして。
惣菜も発見した。
昨日買ったやつである。
私は静かに顔を覆った。
「全部昨日じゃん……」
現実だった。
私はまず惣菜を開ける。
匂いを嗅ぐ。
大丈夫そうだった。
私は少し考え込み――
一口食べた。
もぐ。
しばらく待つ。
変化無し。
私は頷く。
「よし」
兄妹を見る。
兄は警戒している。
妹はお腹が空いている。
いつもの光景だった。
私は惣菜を差し出した。
「これは大丈夫そう」
兄は少し迷った。
でも受け取る。
妹も食べる。
犬も近寄ってきた。
私は少し安心した。
問題はもう一つだった。
私はお弁当を見る。
昨日の夕方。
買ったやつ。
それから。
異世界。
森。
洞窟。
一晩。
私は真顔になる。
「うん」
嫌な予感しかしない。
私は兄妹を見る。
却下だった。
私は犬を見る。
犬も私を見る。
沈黙。
私は少し考え込み――
「頼める?」
犬は答えない。
当然である。
私はお弁当を少しだけ差し出す。
犬は匂いを嗅ぐ。
そして普通に食べた。
私は犬を見る。
犬は食べる。
私はしばらくその様子を見つめ――
頷いた。
「良かった」
なお。
何が良かったのかは本人にも分かっていない。
だが。
捨てる事にならなくて少し安心した。
もったいなかったのである。
その後。
犬は綺麗に食べ切った。
私は空になった容器を見る。
そして小さく頷く。
「よし」
一つ問題は片付いた。
次は町だった。
私は兄を見る。
「町ある?」
兄は頷いた。
「ある」
私は少し前のめりになる。
「店ある?」
兄は頷く。
「ある」
私はさらに前のめりになる。
「毛布ある?」
兄は首を傾げた。
私は気にしない。
「缶切りある?」
兄は困った顔をした。
私は気にしない。
「塩売れる?」
兄はさらに困った顔をした。
私は気にしない。
主人公は町へ夢を見ていた。
主に生活用品の方へ。
私は勢いよく立ち上がる。
「行こう」
兄は少しだけ嫌そうな顔をした。
犬は欠伸をした。
妹はよく分かっていなかった。
こうして。
主人公の異世界初買い物が始まろうとしていた。
なお。
主人公は所持金が無い事を忘れていた。




