第14章 ➅
第14章⑥ 古着
営業が終わった。
私は銀貨を2枚持つ。
今日は買い物だった。
目的は服と、下着。
兄と妹の着替えだった。
洞窟を出る。
兄が聞いた。
「どこ行くの?」
私は答える。
「服」
兄が少し驚いた顔をした。
妹は喜んだ。
「おようふく!」
私は頷いて頭を撫でた。
「待ってて」
兄は頷いた。
妹も頷く。
犬もいた。
多分大丈夫だった。
私は町へ向かう。
下町だった。
古着屋を探す。
一軒目だった。
服を見る。
値段を見る。
高い。
店の隅に端切れの箱がある。
「あれは売り物?」
「いや、焚き付け用だ」
「要らないの?」
「要らないなぁ」
「全部貰って良い?」
「いいぞ」
ラッキー。
持ってきたゴミ袋に詰め込んだ。
私は店を出た。
二軒目。
少し安い。
でもまだ高い。
ここでも端切れを貰った。
私は店を出た。
3軒目。
服を見る。
値段を見る。
少し考える。
そして。
店の隅を見る。
ここにもあった。
店主が聞いた。
「何見てる」
私は箱を指差す。
「これ」
店主も見る。
「ゴミだぞ」
私は箱を見る。
布だった。
「貰っていい?」
店主が固まった。
何故だろう。
「端切れだぞ?」
私は頷く。
知っていた。
だから聞いた。
「全部ほしい」
店主は少し考える。
そして言った。
「いいぞ」
この店には大きめの端切れが多かった。
これも全部まとめて袋に入れた。
店主が聞いた。
「何に使うんだ」
私は答える。
「布団にする」
店主が止まった。
何故だろう。
次は服。
私は服を見る。
兄用。
少し大きい。
妹用。
少し大きい。
それで良かった。
育つ。
私は服を選ぶ。
上着。
ズボン。
予備。
予備の予備。
予備の予備の予備。
大人用の大きめ服を何枚か。
下着は新品だった。
これは新品だった。
大事だった。
会計をする。
銀貨2枚持ってきた。
合計古着を30着。
リメイク用。
新品の下着8枚。
これで銀貨2枚使わない。
安い!
次もここで買おう。
私は店を出る。
袋は重かった。
服より。
端切れの方が重かった。
多分気のせいだった。
洞窟へ帰る。
妹が走ってきた。
「おようふく!」
私は袋を渡す。
妹が喜ぶ。
兄も驚いていた。
私は袋を置く。
端切れを出す。
兄が聞いた。
「何それ」
私は答えた。
「布団」
兄は服を見る。
端切れを見る。
もう一度端切れを見る。
そして言った。
「布だけど」
私は頷く。
「布団」
兄は黙った。
その日の夜。
私は端切れを洗った。
干した。
並べた。
主人公は思った。
宝だった。




