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第13章 ①
第13章①
朝起きる。
パンを食べる。
町へ行く。
そして帰る。
毎日の日課。
今日は薬草を持って行った。
明日は木の実だった。
次の日はキノコだった。
少しずつ違う。
でも。
大体同じだった。
「行ってくるね」
兄は頷く。
妹は手を振る。
犬は付いて来ようとする。
君は留守番。
夕方。
「ただいま」
妹が笑う。
犬が走ってくる。
兄は少しだけ安心した顔をする。
そんな日が続いた。
私は町を歩く。
少し考える。
お風呂が欲しかった。
体は拭いている。
水もある。
でも違う。
湯船だった。
肩まで浸かりたい。
私は空を見る。
温泉とか無いだろうか。
あったら嬉しい。
次に兄を見る。
妹を見る。
二人とも同じ服ばかりだった。
洗っている。
ちゃんと洗っている。
でも。
着替えはない。
私は少し考える。
服も欲しかった。
洗い替えも欲しかった。
生活とは。
問題が一つ終わると。
次が出てくるらしい。
ある日の朝だった。
私はいつものように荷物を持つ。
「行ってくるね」
兄が見る。
少しだけ考えこんでる。
そして言った。
「気を付けて」
私は頷く。
「うん」
良い子だ。
私は町へ向かった。
兄はしばらくその背中を見ていた。
その日の夕方。
私は洞窟へ戻る。
犬が来る。
妹も来る。
兄もいた。
いつも通りだった。
平和だ。




