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第11章 ⑨

第11章⑨ 増えた


「うまい!」


子供の声が響く。


良かった。


塩では無かったらしい。


そして。


子供はもう1本食べた。


モグモグ


さらにもう1本食べた。


かなり早かった。


気に入ったらしい。


やがて。


別の子供が前へ出る。


鉄貨を持っていた。


「1つ」


さらに後ろから声がする。


「俺も」


「私も」


「僕も」


増えた。


おおぅ…


何故だろう。


おばちゃんは笑っていた。


ニヤニヤしている。


そして言う。


「ほら」


私は見る。


カルト芋だった。


まだ山だった。


嫌な予感がヒシヒシと……


おばちゃんは続ける。


「揚げるよ」


数秒。


固まる。


まだやるのか。


子供達は待っていた。


目をキラキラさせて待っている。


期待に満ちた目だった。


作るか………。


帰れそうになかった。


諦めも肝心か……


私はカルト芋を持つ。


油へ入れる。


ジュワァァァ……


良い音だった。


やがて。


また人が止まる。


カルト揚げを見る。


子供達を見る。


そして聞く。


「何だそれ」


更に増えた!


半日で良かったかな…。

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