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第10章 ⑤
第10章⑤ 鍛冶屋
私は鍛冶屋へ向かう。
場所は知っていた。
前に通った。
確かここだ。
多分。
店の前には金属が並んでいる。
鎌。
斧。
鍋。
釘。
色々あった。
私は少し見る。
面白い。
そして店へ入る。
奥から男が出てきた。
おおおお!
かなり大きかった。
鍛冶屋だった。
多分。
男は私を見る。
そして言った。
「何だ」
私は答える。
「包丁」
男は少し黙った。
「藪から棒だな」
よく言われるな…
流行っているのだろうか。
分からない。
鍛冶屋は腕を組む。
「どんなのが欲しい」
私は答える。
「切りやすいの」
鍛冶屋は黙った。
沈黙が長い。
長過ぎだ。
私は待つ。
やがて鍛冶屋は聞いた。
「何を切る」
私は少し考える。
ジャガイモモドキを思い出す。
ベーコンも思い出す。
そして答えた。
「切ったり剥いたり」
鍛冶屋は天を仰いだ。
やはり流行っているのだろうか。
分からなかった。
鍛冶屋は棚から一本取り出す。
ナイフより大きい。
かなり大きい。
私は受け取る。
重かった。
でも良い感じだった。
私は包丁を見る。
「切っていい?」
鍛冶屋は少し考えた。
そして頷く。
「草ならな」
私は外へ出る。
その辺の草を見る。
切る。
スパッ。
おおおお!
私はもう一回切る。
スパッ。
良い感じだった。
私は満足する。
鍛冶屋へ戻る。
「いくら?」
鍛冶屋は答えた。
金額を聞く。
買えそうだ。
私は頷く。
決めた。
包丁だ!
包丁を大事に抱えた。




