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第9章 ➂

第9章③ 未来のまな板


私はおばちゃんに教わった場所へ向かう。


切り株だ。


楽しみだ。


下町の端を抜ける。


少し歩く。


やがて空き地が見えてくる。


木材が積まれていた。


折れた枝。


古い丸太。


そして。


切り株だ。


あった。


私は近付く。


しばらく見る。


良い切り株だ。


丸い。


厚い。


大きい。


未来のまな板だ。


私はしゃがむ。


持つ。


よいしょ。


切り株が浮く。


少し首を傾げる。


あれ?


重い。


でも。


思ったより重くない。


私は切り株を見る。


しばらく見る。


そして頷く。


「乾燥してるのか」


良い切り株だ。


主人公は納得したようだ。

なお。

乾燥はあまり関係無い。もっとも。 その事に気付くのはまだ先の話である。


私は切り株を持つ。


歩く。


問題無い。


良い切り株だ。


未来のまな板だ。


その時だ。


後ろから声がする。


「何してるんだ?」


私は振り返る。


木工職人だ。


ちょうど良い。


私は切り株を見せる。


「まな板」


職人は切り株を見る。


私を見る。


もう一度切り株を見る。


しばらく黙る。


やがて言った。


「切り株だな」


私は頷く。


「未来のまな板」


職人は天を仰いだ。

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