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第9章 ②

第9章② お礼


下町へ向かった。


私はエコバッグを見る。


中を見る。


麦茶だ。


2Lを1本。


良い事だ。


私は下町を歩く。


見慣れた道だ。


魚屋が居る。


木工職人も居る。


屋台も並んでいた。


少しだけ嬉しかった。


異世界だった。


やがて見えてくる。


ポップコルンのおばちゃんだ。


今日も鉄板の前に居る。


忙しそうだった。


私は近付く。


おばちゃんが気付く。


「おや」


私は麦茶を取り出した。


おばちゃんは首を傾げる。


私は言った。


「お礼」


おばちゃんは少し固まる。


麦茶を見る。


私を見る。


もう一度麦茶を見る。


珍しかったらしい。


おばちゃんは受け取る。


少しだけ笑った。


「変な嬢ちゃんだねぇ」


私は頷く。


よく言われた。


おばちゃんは蓋を開ける。


少し飲む。


しばらく止まる。


もう一口飲む。


そして言った。


「冷たい」


私は頷く。


「麦茶」


おばちゃんは笑った。


「変わったお茶だねぇ」


気に入ってもらったようだ。


しばらく話す。


私は下町を見る。


そして聞いた。


「木を切ったら怒られる?」


おばちゃんは固まった。


「何で?」


私は答える。


「まな板」


おばちゃんは天を仰いだ。


主人公は思った。


難しい問題らしかった。


やがておばちゃんは言った。


「切り株ならあるよ」


私は少し嬉しくなった。


主人公は思った。


良い事だった。


まな板に一歩近付いた。

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