表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/309

閑話 納豆

閑話 納豆


翌朝だった。


私は朝ご飯の準備をしていた。


卵を取り出す。


ベーコンを取り出す。


フライパンへ入れる。


じゅうううう……


良い音がした。


良い匂いもした。


兄が起きる。


妹も起きる。


犬も起きる。


皆近付いて来る。


朝だった。


やがて完成する。


ベーコンエッグだった。


兄へ渡す。


妹へ渡す。


犬にも少し分ける。


かなり喜んだ。


良い事だった。


次に私は納豆を取り出した。


兄が固まる。


妹も固まる。


犬も固まる。


私は少し考えた。


主人公は思った。


納豆だった。


私は蓋を開ける。


兄が言った。


「外」


私は顔を上げる。


「え?」


兄は真顔だった。


「外」


妹は頷いた。


犬も頷いた。


私は少し考えた。


主人公は思った。


納豆だった。


私は外へ出た。


岩へ座る。


納豆を混ぜる。


ぐるぐる混ぜる。


糸が引く。


良い感じだった。


主人公は思った。


納豆だった。


私は食べる。


美味しかった。


その時だった。


「失礼」


声が聞こえた。


顔を上げる。


商人だった。


私は少し考えた。


主人公は思った。


嫌だった。


商人は笑顔だった。


「少しお話を――」


そこで止まった。


商人は納豆を見る。


私を見る。


納豆を見る。


もう一度私を見る。


私は納豆を食べる。


商人は少し後ろへ下がった。


主人公は思った。


身体に良かった。


商人はしばらく黙る。


そして言った。


「失礼した」


帰った。


かなり急いでいた。


私は納豆を見る。


主人公は思った。


美味しかった。


洞窟の入口を見る。


兄が居た。


妹も居た。


犬も居た。


皆こちらを見ている。


兄は納豆を見る。


商人が帰った方を見る。


私を見る。


しばらく考えた。


そして言った。


「便利だな」


私は頷く。


「身体に良い」


兄は違う事を考えていた。



その頃。


商人は歩いていた。


かなり早足だった。


少し離れてから立ち止まる。


そして振り返った。


洞窟はもう見えない。


商人は小さく息を吐いた。


あの女は分からない。


本当に分からない。


コルンポップ。


シチュー。


魚汁。


どれも売れた。


だからこそ分からない。


今日見た物は何だったのか。


豆だった。


多分。


だが糸を引いていた。


見た目も良くなかった。


匂いも独特だった。


それを女は平然と食べていた。


商人は洞窟の方を思い出す。


兄が居た。


妹も居た。


犬も居た。


誰も近付いていなかった。


商人は少し考える。


かなり考える。


そして結論を出した。


今日はやめて正解だった。


契約は逃げない。


だが。


まずはあれが何なのか調べるべきだった。


商人は歩き出す。


難しい仕事になりそうだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ