↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
416/425

第50章 ① 

朝。目が覚めた。


少し寒い。


布団から出る。


顔を洗う。


髪をまとめる。


鏡を見る。


白髪が増えた。


まあいい。


台所へ行く。


火をつける。


昨日の残りのスープを温める。


パンを切る。


卵も焼く。


カルト芋も蒸す。


これはニコの分。


多分、孫も食べる。


匂いがしたのか、イナが来た。


「まだだよ」


座った。


偉い。


目は芋を見ている。


やっぱり偉くない。


二階から音がする。


ルークが起きたらしい。


その後で、サラの声が聞こえた。


「駄目!」


朝から何だ。


少しして、孫が走ってきた。


手に何か持っている。


布。


「それ何?」


後ろからサラが来る。


「私の!」


孫が逃げた。


「朝から走らない!」


サラも追う。


元気だ。


ニコが来た。


眠そうだ。


「おはよう」


「おはよう」


席に座る。


蒸したカルト芋を置く。


「ありがとう」


まだ好きらしい。


三歳の時から変わらない。


ルークも来る。


全員揃った。


「食べな」


朝ご飯にする。


今日の予定を聞く。


サラは畑。


ニコは代官府。


ルークはギルドへ行く。


仕事があれば受けるらしい。


私は買い物。


糸も見たい。


今使っているものが少なくなってきた。


「また編むの?」


ルークが聞いた。


「編むよ」


「何作ってるの?」


「まだ決めてない」


「決めないで編んでるの?」


「途中で決める」


そういう時もある。


眼鏡があるから細い糸も使える。


便利だ。


食事が終わる。


ニコが出る。


「行ってきます」


「行ってらっしゃい」


サラも準備をする。


「お昼までには戻るね」


「無理しなくていいよ」


「分かってる」


ルークも立つ。


「夕飯いる?」


聞く。


「いる」


「遅くなるなら連絡して」


「分かってる」


いつものことだ。


三人が出ていく。


家が少し静かになる。


孫は残っている。


静かではなかった。


イナもいる。


もっと静かではない。


私は食器を片づける。


洗う。


干す。


洗濯物もある。


買い物にも行く。


昼ご飯も作る。


編み物もしたい。


やることは多い。


孫が椅子を動かしている音がした。


手を止める。


「何してるの?」


音が止まった。


返事がない。


怪しい。


見に行く。


椅子の上に立っていた。


棚へ手を伸ばしている。


「降りなさい」


「もうちょっと」


「もうちょっとじゃない」


抱えて下ろす。


「何取りたかったの?」


指を差す。


箱。


眼鏡が入っている。


まだ狙っていた。


「これは駄目」


「みるだけ」


「駄目」


「ちょっと」


「駄目」


賢くなった。


交渉するようになった。


面倒だ。


箱をもっと奥へ置く。


孫が見ている。


置き場所を覚えている顔だ。


「覚えなくていいよ」


笑った。


絶対に覚えた。


私はため息をつく。


さて。


洗濯を終わらせよう。


それから買い物。


帰ってきたら昼ご飯。


午後は編み物。


夕飯は何にしよう。


いつもと同じ朝だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。