第49章 ⑩
休日。
カイルたちが来た。
ミラたちも来た。
サラとニコは元々いる。
ルークも今日は仕事がない。
久しぶりに全員揃った。
子供が五人。
大人も多い。
家が狭い。
昔は、こんなに人がいなかった。
最初は私とルークとサラとイナ。
それから、カイルとミラとニコが増えた。
今は数えるのが面倒なくらいいる。
昼ご飯を食べる。
大きな鍋を出した。
パンも多め。
カルト芋も蒸した。
子供たちが食べる。
イナが狙う。
「イナ」
呼ぶと、目を逸らした。
まだ何もしていない。
でも考えている。
多分。
食べながら、カイルがルークを見た。
「そういえば」
嫌な始まり方だ。
「ルークは?」
ルークが顔を上げる。
「何が?」
「結婚」
ルークが止まった。
私は芋を食べる。
面白そうなので聞く。
「しないけど」
「しないの?」
ミラも入った。
「今は」
「相手は?」
「いない」
「好きな人は?」
「いない」
早い。
全部即答だ。
カイルが少し考えた。
「おまえ、このままずっとここにいる気?」
「うん」
そこも即答だった。
私は芋を飲み込んだ。
「いるらしいよ」
「おばさんはいいの?」
カイルが聞く。
「何が?」
「ルークがずっと家にいて」
別に。
「自分の部屋の掃除して、家のこともやるなら」
「そこ?」
そこだ。
大人が一緒に住むなら、自分のことは自分でする。
結婚するかどうかは関係ない。
「おばさん、俺を追い出す気ある?」
ルークが聞いた。
「ないよ」
「じゃあいる」
決まったらしい。
ミラが笑う。
「本当に結婚しなさそう」
「何で結婚させたいの?」
ルークが聞く。
「別にさせたいわけじゃないけど」
「じゃあいいだろ」
その通りだ。
本人が困っていない。
誰かを困らせているわけでもない。
なら、どうでもいい。
結婚したくなったらすればいい。
しなくてもいい。
「でも、お兄ちゃん人気ありそうなのに」
サラが言った。
「知らない」
「冒険者の人とか」
「知らない」
「ギルドの人とか」
「知らない」
本当に興味がないらしい。
ニコが黙って食べている。
カイルがそっちを見る。
「ニコは何か知らない?」
「何で僕に聞くの?」
「何か知ってそうだから」
「知らないよ」
ニコは少し間を置いた。
「知ってても言わないけど」
ルークがニコを見る。
私も見る。
カイルも見る。
ミラも見る。
サラまで見る。
ニコが困った顔をした。
「本当に知らないよ」
怪しい。
でも。
本人が言わないことを勝手に探る必要はない。
「個人情報だね」
私が言う。
ニコが頷いた。
ルークも頷いた。
カイルが笑った。
「便利だな、それ」
便利ではない。
大事なことだ。
その後、話は別のことへ移った。
子供たちは食べ終わって遊んでいる。
サラとニコの娘が、また何か企んでいる。
椅子を見ている。
「何する気?」
聞いたら逃げた。
怪しい。
イナもついていった。
もっと怪しい。
私は立ち上がる。
「こら。二人とも待ちなさい」
後ろで笑い声がした。
何がおかしい。
追いかける。
今日はみんないる。
カイルも。
ミラも。
ルークも。
サラも。
ニコも。
その家族もいる。
騒がしい。
狭い。
芋は足りなくなった。
夕飯は、もう少し多く作ろう。
それでいい。




