第7章 ⑧
第7章⑧ 研究
洞窟の夜だった。
私は鍋を見る。
空だった。
勝った。
ナスも減った。
大根おろしも減った。
良い事だった。
兄は妹と犬を寝かせている。
犬は丸くなっていた。
平和だった。
私は少し考える。
転移してから一週間。
異世界へ来て一週間。
しばらく考える。
十分ではないだろうか。
虫も倒した。
町にも行った。
商売もした。
ポップコーンも作った。
魚も消費した。
シチューは減らしくはなかったが、仕方ない。
主人公は思った。
実績は十分だった。
私は立ち上がる。
少し離れる。
深呼吸した。
来るかもしれない。
私は言った。
「鑑定」
何も起きない。
私は頷く。
まだだった。
「ステータス」
何も起きない。
「収納」
何も起きない。
おかしい。
私は少し考える。
そして言った。
「錬金術」
何も起きない。
「アルケミー」
何も起きない。
「アルケミスト」
何も起きない。
近い気はした。
多分。
「合成」
何も起きない。
「調合」
何も起きない。
「生成」
何も起きない。
「クラフト」
何も起きない。
「クリエイト」
何も起きない
難しかった。
私は腕を組む。
しばらく考える。
そして最後の切り札を使う。
「賢者の石」
何も起きない。
「エリクサー」
何も起きない。
「ポーション」
何も起きない。
駄目だった。
その時だった。
兄が言った。
「何してる」
私は答えた。
「研究」
兄は少し考えた。
そして言った。
「そうか」
主人公は思った。
理解されたらしい。
兄は少しだけ遠い目をしていた。
私は気にしない
研究だったのだ。
私は段ボールベッドの上に。
目を閉じる。
異世界生活七日目。
実績は十分だった筈だ。




