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第34章 ⑭
所長の眉が動く。
「危険な魔力を持つ子供を管理するには研究が必要だ」
「危険?」
私は聞く。
所長はこちらを見ない。
「あの子達が、何をしたの?」
「発現後の魔力は予測できない」
「何をしたの?」
「事故が起きる可能性がある」
「起きたの?」
答えない。
ギルドマスターが記録を捲る。
「過去三年。この施設内で子供が起こした魔力事故は二件」
所長が顔を上げる。
「二件とも、投薬中止後に起きている」
薬師が記録を見る。
「投薬で弱った後、魔力反応が急に戻った」
「だから抑制が必要だ」
所長がすぐに言った。
薬師は首を横へ振る。
「違う」
「何が違う」
「薬で無理に抑えた反動だ」
所長の口が閉じる。
「投薬しなければ、起きなかった可能性がある」
「可能性にすぎない」
「お前の言う危険も可能性だ」
薬師は紙を机へ置いた。
「子供が危険だから薬を飲ませたのではない」
所長を見る。
「薬を飲ませた結果、危険な状態を作った」
「その判断は中央の研究者が――」
「では」
ギルドマスターが遮った。
「中央の誰だ」




