↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
277/375

第34章 ⑦-2

「違う」


「何が違う?」


ギルドマスターが聞く。


「治療のための投薬だ」


「治療?」 


薬師が記録を持ち上げる。


「何の病気を治した」


男は答えられない。


「元気になった子はいるのか」


答えない。


「食べられるようになったか」


答えない。


「熱は下がったか」


答えない。


「意識を失わなくなったか」


何も答えない。


治していない。


弱らせた。


泣けなくした。


動けなくした。


食事へ混ぜた。


ギルドマスターが衛兵を見る。


「記録しろ」


衛兵が筆を持つ。


「子供の体調を把握した上で」


一つ。

「薬品を食事へ混入」


一つ。

「嘔吐後も、新たな食事へ再び混入」


一つ。

「本人へ知らせず、継続して摂取させた」


筆が止まる。


三の札の男が声を上げた。


「命令だった!」


ギルドマスターは男を見る。


「命令なら」


低い声だった。 


「子供の食事へ毒を混ぜてもいいのか」


男は黙る。


私は机の上を見る。


薬瓶。


調合表。


子供の記録。


そして。 


食事へ混ぜた記録。


薬は勝手に子供の口へ入らない。


作った人がいる。


渡した人がいる。


混ぜた人がいる。


食べさせた人がいる。


全員。


自分は最後に決めていないと言う。


でも。

誰か一人でも止めていたら。


子供の口には入らなかった。


「補助を呼んだって言ったね」


私は三の札を見る。


男の目が。


廊下の奥へ向いた。


そこに。


額へ四の札を付けた男がいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。