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第6章 魚➂
第6章 力持ち
しばらく歩く。
やがて下町が見えてきた。
人の声が聞こえる。
屋台の並ぶ通りだった。
おばちゃんは今日もいた。
私を見る。
発泡スチロールを見る。
その上の鍋を見る。
フライパンを見る。
鍋蓋を見る。
そして言った。
「引っ越しかい?」
私は首を振った。
「魚」
おばちゃんは吹き出した。
「また来たのかい」
私は頷いた。
発泡スチロールを置く。
どん。
おばちゃんは蓋を開いた。
魚を見る。
しばらく黙った。
そして言った。
「多いね」
私は頷く。
多かった。
だから来た。
それだけだった。




