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第6章 魚②

第6章 出発


兄が見る。


発泡スチロールを見る。


鍋を見る。


フライパンを見る。


鍋蓋を見る。


エコバッグを見る。


私を見る。


しばらく黙った。


そして言った。


「全部持って行くのか」


私は頷く。


「全部」


兄は少し考えた。


そして言った。


「多いな」


私は頷く。


多かった。


だから持って行く。


それだけだった。


犬が近付いて来る。


付いて来る気らしい。


私は言った。


「留守番」


犬は固まる。


私はもう一度言った。


「留守番」


犬は兄を見る。


兄は頷いた。


犬は諦めた。


妹が犬を抱き締める。


平和だった。


私はエコバッグを肩へ掛ける。


次に発泡スチロールの上へ鍋を乗せる。


フライパンも乗せる。


鍋蓋も乗せた。


主人公は思った。


運べた。


それで良かった。


私は発泡スチロールを持ち上げる。


そして歩き出した。


魚だった。


今日だった。

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