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第28章 ①
第28章① お願い
私は畑を見る。
芽はまだだった。
私は少し頷く。
「もう少し」
その時だった。
「いるか!」
商人だった。
私は振り向く。
「おはよう」
商人は頷く。
「ああ」
「頼みがある」
私は首を傾げる。
「何?」
商人は腕を組む。
少し困った顔だった。
「鳥の餌だ」
私は頷く。
「うん」
「美味しい」
商人は苦笑した。
「お前はそう言う」
「だが町の連中は違う」
私は黙って聞く。
「誰も買わん」
「鳥の餌なんか食えるか」
「そう言われて終わりだ」
私は少し考える。
「そう?」
商人は深く頷く。
「説明しても駄目だ」
「だから頼む」
少し間を置く。
「実演してくれ」
私は聞く。
「ご飯?」
商人は頷く。
「ああ」
「目の前で炊いて」
「食べてもらいたい」
私は少し考える。
私は頷く。
「うん」
「いいよ」
商人はほっと息を吐く。
「助かった」
私は少し笑う。
「美味しいから」
商人は苦笑した。
「だから、それを町の連中にも分かってもらいたいんだ」
私は頷く。
「分かった」
今日は。
ご飯を炊きに行く。




