189/297
第27章 ②
第27章② 水やり
種を蒔き終わる。
私は水を運ぶ。
私はまた桶を持つ。
重い。
私は少し考える。
「ジョウロ」
ミラが聞く。
「ジョウロ?」
私は頷く。
「水撒きもっと楽」
ミラは少し笑う。
「みーさんは」
「すぐ新しい物を思い付きますね」
私は少し考える。
「便利は大事」
ミラも手伝う。
「これくらいですか?」
私は畑を見る。
土が黒く湿る。
私は頷く。
「うん」
「それくらい」
ミラも頷く。
丁寧だ。
いつもそうだ。
手を抜かない。
この子は真面目すぎる。
多分。
水を撒き終わる。
私は空を見る。
青かった。
雪はもう。
ほとんど無い。
道の端に。
少し残るだけだった。
私は思う。
春だ。




