第26章 ①
第26章① 石臼
朝。
外が少し騒がしい。
私は戸を開ける。
商人だった。
荷車を引いている。
「約束の物を持って来たぞ」
私は見る。
丸い石だった。
二つ。
重なっている。
商人が笑う。
「石臼だ」
私は少し笑う。
「来た」
商人は庭へ運ぶ。
ごと。
ごと。
かなり重そうだった。
私と二人で運ぶ。
台所の軒先に置く。
商人が上の石を持つ。
少しずらす。
穴があった。
「ここへ入れる」
鳥の餌を一掴み。
穴へ落とす。
そして。
ごろ。
ごろ。
石が回る。
下から茶色い物が少しずつ落ちる。
私は止まる。
「おお」
商人は少し得意そうだった。
「後は回すだけだ」
私は頷く。
「簡単」
商人は笑う。
「回すのはな」
私は少し回す。
ごろ。
ごろ。
確かに重いが…。
それほどでも?
ルークを見る。
カイルも見る。
「やってみる?」
二人は頷いた。
「うん」
「任せて」
ごろ。
ごろ。
石が回る。
少しずつ。
茶色い物が増えていく。
私は見る。
横を見る。
籾殻だった。
山になっている。
私は少し考える。
「捨てる?」
商人が頷く。
「ああ」
私は首を振る。
「駄目」
商人が止まる。
「何でだ?」
私は少し考える。
説明は難しい。
「多分」
「使う」
商人は首を傾げた。
「何に?」
私は森を見る。
落ち葉。
雪は融けた。
木の下は黒い。
思い出す。
「腐葉土」
当然。
誰も分からない。
私は頷く。
「森」
「行く」
ルークが聞く。
「何しに?」
私は笑う。
「宝探し」
みんな首を傾げた。
でも。
付いて来た。




