表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/275

閑話 しゃもじ

閑話 しゃもじ


私は板を持つ。


ナイフも持つ。


しゃっ。


しゃっ。


少し削る。


難しい。


もう少し。


しゃっ。


ぬぬぬ。難しい…。


その時だった。


ルークとカイルが来た。


二人とも止まった。


「何してるの?」


私は板を見せる。


「しゃもじ」


二人は首を傾げる。


「しゃもじ?」


私は頷く。


「ご飯を混ぜる」


「こう切る様に返す」


「よそいやすい」


ルークは少し考える。


カイルも板を見る。


「作る?」


私は頷く。


「うん」


ルークは板を持つ。


カイルも板を持つ。


私はナイフを渡した。


しゃっ。


しゃっ。


木屑が落ちる。


ルークは真面目だった。


カイルも真面目だった。


でも。


歪む。


私は少し笑う。


「大丈夫」


また削る。


また削る。


サラも来た。


「なに?」


「しゃもじ」


サラは分からなかった。


でも頷いた。


「しゃもじ!」


ニコも来る。


「しゃもじ!」


イナも来る。


木屑へ顔を突っ込む。


「イナ」


「駄目」


イナは座る。


良い子だった。


多分。


しばらくして。


ルークが言った。


「出来た」


私は受け取る。


少し曲がっていた。


持ち手も太い。


でも。


ちゃんと持てる。


カイルも差し出す。


こっちは少し大きかった。


私は少し笑う。


「ありがとう」


その日の夕飯。


私はルークのしゃもじを持つ。


炊き込みご飯を混ぜる。


切る。


返す。


前よりやりやすい。


私は頷く。


「いい」


ルークが少し笑う。


カイルも笑った。


その日から。


我が家には。


しゃもじが二本になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ