第25章 ⑤
第25章⑤ 話
私は鍋を抱えて二階へ上がる。
ギルマスの部屋だった。
おばちゃんもいた。
私を見る。
鍋を見る。
少し笑った。
「買ったのかい」
私は頷く。
「うん」
「厚い」
おばちゃんも頷く。
「良かったねぇ」
私は椅子へ座る。
鍋は膝だった。
ギルマスが少し笑う。
「置いてもいいぞ」
私は首を振る。
「大丈夫」
ギルマスは苦笑する。
「今日はあの三人の話だ」
私は頷く。
「うん」
ギルマスは静かに話し始めた。
「事情は、おばちゃんが保護した時に聞いている」
私は黙って聞く。
「カイルとミラは商団の子だ」
「移動中に雇い主を失ったらしい」
「ニコはその途中で拾った子だそうだ」
私は頷く。
ギルマスは続ける。
「本人達の意向は、まだ聞いていない」
「落ち着いてから聞くつもりだった」
「だが吹雪になった」
「熊まで出た」
「そのまま今日になった」
私は頷く。
「町は?」
ギルマスは答える。
「身寄りが見つかれば引き渡す」
「それまでは町で面倒を見るつもりだった」
「今も、その考えは変わらん」
「面倒みるって?」
「冒険者ギルドで雇う」
「商人が雇う」
「その場合はギルドで寝泊まりだな」
私は少し考える。
そして頷く。
「分かった」
少しだけ。
間を置く。
「子供達はもう少し様子みる」
ギルマスも頷いた。
「それでいい」
おばちゃんも少し笑う。
「焦ることじゃないからねぇ」
私は鍋を撫でる。
少し安心した。
町も。
ちゃんと考えていた。




