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第24章 ⑨

第24章⑨ カレーライス


商人は倉庫へ入る。


しばらくして。


袋が出て来た。


一つ。


二つ。


三つ。


まだ出て来る。


カートへ積む。


どん。


どん。


どん。


カートが鳥の餌でいっぱいになった。


私は頷く。


「これでいい」


商人は私を見る。


「本当に買うんだな」


私は頷く。


「うん」


「小麦粉より安い」


「腹持ちもいい」


商人は少し黙る。


「……それは確かに大事だな」


私はカートを押す。


重い。


嬉しい重さだ。


ルークとカイルが横から引く。


イナは前を歩く。


見回りらしい。


町の人が見る。


「鳥の餌か?」


「随分買ったな」


私は頷く。


「うん」


説明はしない。


面倒だった。


家へ着く。


ミラが出て来る。


「おかえりなさい」


丸ネギ。


カルト芋。


干し肉。


ちゃんと準備されていた。


私は頷く。


「ありがとう」


ルークとカイルはすぐ籾を出す。


昨日と同じ。


ごり。


ごり。


商人はそれを見る。


少しして言った。


「明日、石臼を持って来る」


私は見る。


「ある?」


「ああ」


「麦用だが、調整すれば使えるだろ」


私は少し笑う。


「助かる」


米を洗う。


水へ浸ける。


その間に。


私は鍋を見る。


今日はカレーだった。


丸ネギ。


カルト芋。


干し肉。


水。


火へ掛ける。


しばらく煮る。


良い匂いがしてきた。


私はカレーを入れる。


茶色になる。


商人が笑った。


「米と食うのか」


私は頷く。


「うん」


「合う」


米を炊く。


待つ。


カレーも煮る。


待つ。


待つ事ばかりだった。


でも。


美味しくなる。


やがて米が炊けた。


皿へよそう。


上からカレーを掛ける。


カレーライス。


私は少し笑う。


「いただきます」


みんなも続く。


商人も匙を持つ。


一口。


もぐ。


商人が止まった。


もう一口食べる。


そして言った。


「……パンより合うな」


私は頷く。


「うん」


知っていた。


サラも笑う。


「おいしい!」


ニコも口の周りを茶色くしていた。


「おいし!」


ルークもカイルも夢中だった。


ミラも小さく笑っている。


私は皿を見る。


カレーライス。


定番だけど。


鳥の餌。


心の俳句。


私は商人を見る。


「無くなったら」


「またお願い」


商人は深く息を吐いた。


それから笑った。


「分かった」


また一つ。


食べ物が増えた。

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