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閑話 七夕

閑話 七夕の夜


遠い森の小さな家。


みーは笹を見ていた。


「七夕」


サラが首を傾げる。


「たなばた?」


「お願いを書く日」


ルークが木の板を持ってくる。


紙は無かった。


だから薄い板だった。


炭で書く。


みーは考える。


少しだけ。


『みんな元気で』


それだけ書いた。


欲張らない。


元気なら何とかなる。


多分。


サラは一生懸命書く。


読めない。


でも嬉しそうだった。


ルークは静かに書く。


見せない。


照れ臭いらしい。


イナも来た。


尻尾を振る。


板を見る。


みーは聞く。


「イナも書く?」


イナは板を咥えた。


そして。


逃げた。


「あっ!」


追いかける。


サラが笑う。


ルークも少し笑う。


板は庭を一周して。


最後は無事だった。


端っこだけ。


少しかじられていた。


みーはため息をつく。


「お願いは?」


イナは尻尾を振る。


きっと。


『やきいもいっぱい』


そんな願いだった。


空には星。


離れた場所。


違う世界。


けれど。


誰かを想う願いは。


同じ夜空へ。


静かに昇っていった。

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