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第23章 ➂
第23章③ 黒い
雪はまだ残っている。
もう降らない。
商人は時々来る。
袋を持って帰る。
新しい布を置いていく。
食べ物も置いていく。
私は縫う。
ルークも縫う。
カイルも縫う。
ミラも縫う。
少しずつ。
みんな上手くなった。
サラとニコは毎日遊ぶ。
「ねえね!」
「ねえね!」
ミラも少し照れながら返事をする。
イナは毎日見回る。
朝も。
昼も。
夕方も。
忙しそうだった。
多分。
そんな日が続く。
ある日の夕方。
みんなでお風呂へ入る。
今日も暖かい。
風呂から上がる。
服を着る。
その時だった。
サラが止まる。
首を見る。
「……」
ニコも止まる。
「くろ」
私は見る。
黒い。
かなり黒い。
ルークも自分の首を見る。
「本当だ」
カイルも止まる。
ミラもお守りを見つめる。
サラの目に涙が浮かぶ。
「こわれた?」
ニコも泣きそうだった。
「こわれた……」
壊れてはいない。
そうか。
温泉だ。
その時戸を叩く音がした。
私は戸を開ける。
鍛冶職人だった。




