第23章 ②
第23章② お守り
昼頃、戸を叩く音がした。
鍛冶職人が来た。
「出来たぞ」
私は頷く。
包みを受け取る。
開く。
百円玉だった。
周りを金属が包んでいる。
革紐も付いていた。
私は少し笑う。
綺麗だった。
「ありがとう」
職人は少し照れたように笑う。
「苦労したぞ」
「こんな細かい仕事は初めてだ」
私は頷く。
「大事」
職人も頷いた。
「分かるよ」
私は家の中を見る。
「みんな」
子供達が集まる。
私は一つ手に取る。
「ルーク」
ルークが止まる。
少し驚いた顔だった。
私は首を傾げる。
「?」
ルークは少し笑う。
「ううん」
「何でもない」
私の前へ来る。
私は革紐を渡した。
「お守り」
ルークは両手で受け取る。
少しだけ。
嬉しそうだった。
私は次を持つ。
「サラ」
「わぁ!」
首へ掛けてあげる。
サラは嬉しそうに笑った。
「カイル」
「ありがとう」
「ミラ」
ミラも大事そうに受け取る。
最後だった。
「ニコ」
ニコは受け取る。
少し眺める。
それから走った。
「ねえね!」
ミラが振り向く。
「どうしたの?」
ニコは胸を張る。
「これ!」
首のお守りを見せる。
ミラは笑った。
「似合ってるよ」
サラも走って来る。
「ねえね!」
ミラは少し驚く。
それから優しく笑った。
「ありがとう」
私は最後の一つを見る。
「イナ」
イナが首を傾げた。
私は近付く。
首へ掛けようとする。
イナは少し後ろへ下がった。
嫌らしい。
私は少し考える。
「みんな」
子供達を見る。
「お揃い」
イナもみんなを見る。
首を見る。
自分を見る。
それから。
大人しく座る。
私は革紐を付けた。
イナは少し気にした。
でも外そうとはしなかった。
私は少し笑う。
「家族」
イナは尻尾を振った。
意味は分からない。
でも。
悪い気はしていないらしい。




