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第23章 ①

第23章① お守り


朝だ。


雪はある。


でも。


降らない。


少し前まで毎日だった。


今日は静かだ。


私は外を見る。


サラとニコが待っている。


「遊んでおいで」


二人は頷く。


「うん!」


「う!」


イナも立ち上がる。


当然のように付いて行く。


私はルークを見る。


「お願い」


ルークは頷いた。


「見てる」


私は安心する。


多分。


机へ座る。


針を持つ。


布を縫う。


真っ直ぐ。


真っ直ぐ。


しばらくすると。


戸を叩く音がした。


商人だった。


「出来たか?」


私は袋を渡す。


商人は一つずつ確認した。


「綺麗だな」


私は頷く。


商人は新しい布を置く。


それから財布を出した。


私は首を振る。


「冬だけ」


「食べ物でお願い」


商人は少し考えた。


「現金じゃなくてか?」


私は頷く。


「春になったら戻す」


「今は食べ物」


商人は笑った。


「分かった」


「次からそうしよう」


私は頷く。


「ありがとう」


商人は帰ろうとして止まる。


何か思い出したらしい。


「そういや」


「鍛冶の奴が面白い物を作ったって言ってたぞ」


私は頷く。


「お守り」


商人が首を傾げる。


「お守り?」


私は頷く。


「うん」


「大事」


それだけだった。


商人は少しだけ黙る。


それ以上は聞かなかった。


「出来たら、そのうち持って来るそうだ」


私は頷く。


少しだけ。


楽しみだった。

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