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第22章 ④

第22章④ トマト缶


家へ帰った。


荷物を置く。


サラが走って来る。


「おかえり!」


ニコも走って来る。


イナも来た。


かなり速い。


私は頷く。


「ただいま」


ルークが荷物を見る。


「多い」


私は頷く。


「仕事」


布を見せる。


ルークが頷いた。


「内職?」


私は頷く。


「うん」


カイルも布を見る。


「縫うの?」


私は頷く。


「袋」


ミラが少し俯いた。


「あの……」


「ん?」


「雪が落ち着いたら、私達は町へ戻ります。長くお世話になる訳にはいきませんから。」


少し考える。


その時だった。


サラがミラの服を掴んだ。


「や!」


ミラが驚く。


「サラちゃん?」


サラは首を振る。


「ニコといる!」


ニコも慌てて頷く。


「いる!」


私は二人を見る。


ミラも二人を見る。


少し困ったように笑った。


私は言う。


「まだ危ないよ」


「熊も出たし」


「雪が融けるまで居ればいい」


ミラが少し安心した顔をした。


人手が増えた。


仕事もしてもらう。


私は台所へ向かう。


棚を見る。


缶が並んでいた。


豆。


果物。


そして。


トマト。


かなりボコボコ。


転移初日の格闘跡。


私は缶切りを見る。


やっとだ。


私は缶へ当てる。


ルークが覗き込む。


「何するの?」


私は答える。


「開ける」


サラも来た。


ニコも来た。


イナも来た。


近い。


寄りすぎ。


私は少しだけ離す。


危ない。


缶切りを回す。


ぎこ。


ぎこ。


ぎこ。


少し重い。


でも回る。


私は続ける。


ぎこ。


ぎこ。


ぱこん。


止まる。


開いた。


嬉しい。


私は中を見る。


ホールトマト


少し潰れている気もする。


気のせいか。


私は少し安心する。


「良かった」


サラが覗き込む。


「赤い!」


ニコも覗く。


「赤」


イナも覗く。


鼻を近付けた。


私は缶を持ち上げる。


「駄目」


イナは座った。


良い子だ。


多分。


ルークが缶を見る。


「これ、何?」


私は答える。


「トマト」


ルークは首を傾げる。


知らないらしい。


ここには無いのか?


私は少し考える。


今日はこれを使おう。


スープでもいい。


パンにも合う。


私は鍋を出す。


やっと使える。


かなり嬉しい。


缶切りを見る。


職人だった。


ありがとう。

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