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第20章 ⑫
第20章⑫ 椿
数日後。
私はこたつへ入る。
暖かい。
良いな。
袋を出す。
椿の実だった。
冬の遊び。
兄が見る。
妹も見る。
「なに?」
私は答える。
「笛作ろう」
妹が笑う。
「ふえ!」
私は頷く。
実へ穴を開ける。
少しずつ。
少しずつ。
中を出す。
耳掻き有れば楽。
ここ、耳掻き有るのか?
ちまちま。
ほりほり。
実が出る。
そういえば。
椿だった。
椿油。
妹を見る。
髪傷んでる。
リンス……。
!
私は立ち上がる。
兄が見る。
「どこ?」
「町」
私は歩く。
商人がいた。
「また来たか」
私は頷く。
「白ワインビネガー」
商人が止まる。
「料理か?」
「そう」
「いくら?」
商人は少し考える。
「みー特価だ」
「分かった」
奥へ入る。
しばらくして戻って来た。
私は受け取る。
帰り道。
洞窟が見えるまえ。
家が見えた。
扉。
付いていた。
早いな。
本当に。
私は洞窟へ戻る。
こたつへ入る。
椿の実を潰す。
油が出る。
白ワインビネガー。
水に混ぜる。
妹を呼ぶ。
「おいで」
妹が座る。
髪に薄めたビネガーをつける。
しばらく待つ。
流す。
乾かす。
椿の実を櫛に擦り付ける。
優しく梳かす。
妹が髪を触る。
「さらさら」
兄も触る。
「違う」
私は頷く。
良かった。
袋を見る。
椿の実。
まだ沢山あった。
笛も作ろう。




