135/171
第20章 ⑨
第20章⑨ 壁
昼食は終わった。
職人が立ち上がる。
「続けるぞ」
「おお!」
丸太を運ぶ。
職人が削る。
少し合わせる。
また乗せる。
一段。
また一段。
少しずつ。
壁になっていく。
凄いな。
家になっていく。
その時だった。
端板が目に入る。
「これ貰っていい?」
「ん?いいぞ」
カートの前面。
こうなるから...。
こうか?
商人が止まる。
「何してる」
私は答える。
「雪を避ける」
商人は首を傾げる。
「雪?」
私は頷く。
「押す」
カートを押す。
雪にささった。
進まない。
私は止まる。
職人が来た。
板を見る。
少し考える。
やがて外す。
角度を変える。
少し削る。
また付ける。
「押してみろ」
私は押す。
雪が左右へ分かれた。
カートも進む。
おおお。
進んだ。
職人も頷く。
「悪くない」
商人も見る。
「道になるな」
私は頷く。
「うん」
後ろを見る。
壁はまた少し高くなっていた。




